「」特別な存在「」
表示される配信終了の文字、
私はスマホを一旦置いて背伸び。
二、三回まばたきをしたら、
またスマホに向かって切り抜き動画を嗜む。
貴方の独特な笑い声
画面を通してでもわかる楽しそうな表情
ずっと見てきたよ。
貴方を困らせるような害悪ちゃんはサヨナラ。
貴方をわかってない失礼なコラボ相手なんて論外。
コメント欄で自分の存在を主張するような子は
貴方にも善良なリスナーにも迷惑かけちゃうから良くないよね。
特別な存在
でもそれを思ってるのって私だけ。
貴方はきっとまとめて見てるでしょ。
"私を見て欲しい"なんて、
数え切れないほど思ったよ。
でも貴方はたぶん、困っちゃうから。
片想い一方通行。
実ることは無いけれど。
だからこそ、
ずっと想わせて。
ずっと私の特別な存在でいて。
「失望なんて、させないでよね!」
「」二人ぼっち「」
桜が散る季節。
この季節を迎えるのも何回目だろうか。
私は結構人より長く生きてるし、
ていうかまず人では無いし、
長く生きてきて思った。
この花びらみたいに呆気なく散ってしまうのが人ってものなんだなって。
でもそれを美しいと思えるのは、
きっと私が人じゃないから。
「ねえ、キミも私と同じ」
ずっと私のそばに居て、
散る美しさを教えてくれた。
もうここには私とキミしか居ないけれど、
「来年も綺麗な花を咲かせてよ」
「」夢が醒める前に「」
君は僕に言った。
「置いていかないでよ」
君は特に独りになることを嫌がっていたね。
君は"独りになりたくなかったから"というけれど、
僕に話しかけてくれたのは独りぼっちの僕を見かねてでしょう?
人間じゃない僕に"友達"だと言ってくれた君にね、お願いがあるんだ。
優しい君だから、答えてくれると願ってるよ。
「置いていかないでよ」
本当は君が言うべき言葉じゃなくて、僕が言うべき言葉だったんだ。
僕の目の前にいる君は、
「置いていくわけないでしょ」
なんて笑ってるんだ。
僕が人間じゃないことも
君がもう笑いかけてくれないことも
これが夢だってことも
わかっているけれど、聞いて。
この夢が醒めてしまう前に
君と離れてしまう前に
どうか
都合のいい夢で、
僕にまた話しかけてくれないか。