「」夢が醒める前に「」
君は僕に言った。
「置いていかないでよ」
君は特に独りになることを嫌がっていたね。
君は"独りになりたくなかったから"というけれど、
僕に話しかけてくれたのは独りぼっちの僕を見かねてでしょう?
人間じゃない僕に"友達"だと言ってくれた君にね、お願いがあるんだ。
優しい君だから、答えてくれると願ってるよ。
「置いていかないでよ」
本当は君が言うべき言葉じゃなくて、僕が言うべき言葉だったんだ。
僕の目の前にいる君は、
「置いていくわけないでしょ」
なんて笑ってるんだ。
僕が人間じゃないことも
君がもう笑いかけてくれないことも
これが夢だってことも
わかっているけれど、聞いて。
この夢が醒めてしまう前に
君と離れてしまう前に
どうか
都合のいい夢で、
僕にまた話しかけてくれないか。
3/21/2023, 5:25:29 AM