『大好き』
全部全部、大好きだった。
忘れようとか嫌いになろうとか当たり前のように出来なくて、むしろそうする度にあなたの存在が質量を増す。
他の人の名を呼んで、他の人と温度を交わすあなたがどうしようもないほどに憎くて、どうしようもないほど大好きだった。
ブルーロック遅ればせながらはまってます。
『叶わぬ夢』
叶わぬ夢に恋い焦がれて、あなたへの思いをどうしようもないほどに募らせる。
思ったよりも未練がましくて、嫉妬深くて、あなたが好きな自分に驚きながら心の穴を自覚する。
あなたの隣なんて世界、知らなければよかった。
今日、球技大会があったんですけど、さすがにみんなかっこよすぎました。
バレー見に行ったんですけどクラスの人がかっこよすぎて推し変の危機です。
応援で叫びすぎて喉が瀕死です。
『花の香りと共に』
甘い花の香りと共に、少し緊張の表情を滲ませたあなたが現れる。
その手に握られるのは、瞳が釘付けになるほど綺麗なバラの花束。
咄嗟に言葉が出なくて固まる私に、あなたがその表情を体現するような声を出した。
「結婚してください」
ひときわ美しい赤いバラが風に煽られて揺れる。
ずっと昔から決まっていた返事をするために、花束を少し震えているあなたの手と一緒に握った。
今日推しに会ったんですけど本当に顔がよすぎました。
席が推しの前だったんですけど振り向いた時に目があって死にそうになりました。
助かる。
心のざわめきがそのまま身体に伝わって、君からもらったチョコレートを握る手が驚くほど震える。
上がりきった体温が、手のひらのチョコレートを溶かしそうになっていた。
君を探して視線を彷徨わせる。
あ、見つけた、なんて視界の端に友だちと笑い合う黒髪が映った。
それだけで胸が高鳴って、恋してることをわかりやすく脳に伝える。
そんな私の視線が君と交わるまで、あと。