『風が運ぶもの』
風媒花しか思いつきませんでした…。
嫌なタイプの理系ですね。
ロマンチックさがほしいです。
『question』
ひとつ息を吸って、まっすぐにあなたの目を見つめる。
やっとのことで出した声は、鼓動の高鳴りを表すように少し震えていた。
「好きな人っていますか?」
少し驚いた顔をしたあなたが軽く微笑む。
「いるよ」
心臓が止まった気がした。
動揺と、焦りと、全てをない交ぜにした感情を抑えられないまま、そうなんだ、なんて曖昧に笑顔を返す。
そっちは?なんて問いかけてくるあなたはいつもとなにも変わらない。
あなたですよ、なんて言えなくて、いないよー、なんて嘘をついた。
今日推しに好きな人がいるらしいって聞いて膝から崩れ落ちました。
リアコじゃないけど推しカプ作ってたんだ…。
明日シス単のテストなんかしてる場合じゃねぇぜ…。
『約束』
約束したじゃん、なんて君が涙を浮かべながら呟いた。
ごめんね、なんて謝ろうとした声も、君の涙を拭おうとした手も、全ては思いどおりにならないまま君の涙が頬を伝うのを眺める。
少し冷えた君の手が僕の手を包んだ。
「一緒に幸せになってくれるんじゃないの?君の名字くれるんじゃないの?死ぬときは一緒なんじゃないの?」
溢れた涙が上から降り注ぐ。
病に冒された身体が、それでも力を振り絞って声帯を震わせる。
「ごめんね。守れなくて」
かさかさに掠れ果てた声でも君には届いたみたいだった。
君の嗚咽が大きくなって、そのまま膝から崩れ落ちる。
君を傷つけるくらいなら約束なんてするんじゃなかった、なんてやけに場違いか感想だけが脳をよぎった。
『ひらり』
ひらりと花びらが舞って、やけに目につくその鮮やかさに君の髪についたそれを取った日のことを思い出す。
ありがとう、なんて少しはにかんで、笑う君に胸がどうしようもなく高鳴った感覚だけがまだ忘れられなかった。
今日友だちとカラオケに行ったんですけど、私の十八番が尾崎豊のOH MY LITTLE GIRLで友だちが知らなかったことにちょっとショックを受けました。
明日はクラスの女子みんなで行くのでもっかい楽しんできたいです。
私の運命の人は誰かしら?なんて日々を過ごしていたけれど、運命だろうと偶然だろうと気にならないほどに好きだと思えるあなたに出会ってしまった。