サー…
砂時計の音が聞こえる
不思議だ
砂時計を眺めていれば、3分が一瞬になってしまう
他の音にも耳を傾けてみる
車の走る音、お母さんが料理する音、エアコンの音
鳥の音、風の音、時計の音
世界は音でいっぱいだ
サー…
再び砂時計の音を聞く
…
音が止まった
もう3分がたったみたいだ
デジタル時計よりもめんどくさいのに、何故かいつも砂時計を使ってしまう
砂時計をひっくり返る
再び心地よい音が聞こえてきた
『砂時計の音』
星図、とは星の位置を平面的に記した物である
もしもこの世界から星図が消えたら、どうなるだろうか
星図が消えたからと言って、星が消えるわけでは無い
それなら、私達の生活には、なんら問題がないような気がする
しかし、今現在、星は消えていっているのだ
消えるといっても色々ある
自然現象としては、星が爆発したり、見え方が変わったりなどで星座が消えていく事がある
だが、それ以外にも見えなくなる原因がある
街の光だ
東京などは、ビルの光のせいで夜の星が見えない
田舎に行けば見えるようになるが、いまは民家も街灯もないところは減っていっているだろう
日本は現在も発展が進んでいる
いつか、星が見えなくなってしまうのでは
と、私は思う事がある
いつかと言っても何千年後かはわからない
でも、もしも星が消えてしまうのなら
そうなれば、星図もいつか消えてしまうだろう
消えていないのに、消えてしまう
まだ存在するのに、光のせいで見えなくなってしまう
いつかそんな未来が来たのなら
人々は、何を思って空を見上げるのだろうか
『消えた星図』
この世にはわからない事がたくさんある
未解決事件や、未解決問題、未発見の元素や惑星などなど…
正直言って、私は数学者でも、科学者でも無いし、天文学者でも無い。
宇宙飛行士を目指しているわけでもなく、そもそも勉強が好きでは無い
しかし、そんな私も今、未解決問題に直面している
とは言っても、数学のテストに未解決問題が出ているわけでは無い
その問題とは「愛−恋=?」だ
何言ってんだこいつ、そもそも数式じゃないじゃないか、となる人もいるだろうが、私は至って真面目である
ことの経緯はこうだ
まず、私の親友には恋人がいた
しかし、何故か最近うまく行っていないらしい
しかもそれを「私の愛から恋がなくなっちゃったの…」と、なんともポエミーな表現を使って説明してくる
曰く、恋人に告白した時の淡い恋の気持ちが消えてしまったらしい
「愛から恋がなくなったら、私の気持ちはどうなるの?」
知るか、そんな物
大体私は恋をした事がない
何故私に相談するというのか
まあ、一応考えてみるか
まず、愛と恋とは何か?
スマホで調べると、
愛=そのものの価値を認め、強く引きつけられる気持ち
恋=特定の人物に対して強い関心やときめきを抱く気持ち
となった
うーん恋が消えて愛が残ったとなると、強い関心はあるが、ときめきは無くなった…
つまりそいつとの恋人の思い出は残ったが、そいつを好きだという気持ちが無くなった…という事か
いや待てよ、今私が考えたのは愛が2で恋が1だった場合だ
つまり2-1で1になる
しかし、愛が2で恋が1だったら?
1-2で-1だ
つまりときめきどころか嫌悪感を抱くということか?
なるほどこれが蛙化現象か
いやなんか違う気がする
まあつまりどっちにしろ嫌な気持ちにしかならないということか
「ねぇ、どう思う?」
「別れた方がいいと思う」
「…」
「…」
「えぇー、それはなんか違わない?」
違うのか…?
そもそもこの問いに答えなどあるのだろうか?
こういう時は、「うんうんそうだね悲しいね」と、適当に相槌を打つのが正解なのだろうか?
私の中でもいまだに答えが出ていない、なんともすっきりしない気持ちだ
こういう時は他人に聞いてくるのが1番だな
もう落ち着いたみたいだし、とりあえず本人に聞いてみよう
「そういうそっちはどう思うのか?」
「?」
「愛から恋を引いたら何になると思うの?」
「うーん…」
「わかんない!」
は?
「気持ち次第じゃないかなぁー」
気持ち次第、か
もしかしたら答えなどないのかもしれない
この問題は、永遠に私の未解決問題となりそうだ
『愛−恋=?』
梨がある
何も無いところに
一つだけ
ポツンと置いてある
私はそれに手を伸ばす
大きい梨だ
きっと食べ応えがあるだろう
大きな口を開けて、私はかぶりつく
しゃくり
みずみずしくてシャキシャキだ
しゃく、しゃく
あっという間に食べ終わってしまった
梨はとっても美味しい
美味しくて、美味しくて
ずうっと食べていたいぐらいに
また、何も無いところに梨がある
いつのまにかそこにある
私はそれに手を伸ばす
一体これは何回目だろうか
『梨』
線路がある
どこまでも、どこまでも続いている
電車が来る
誰も降りる事はない
私1人だけが乗り込む
「ご乗車ありがとうございます。この電車は…」
古びた音声が流れている
駅名をうまく聞き取ることができない
窓を開けて外を見てみる
星空と水平線が広がっている
「綺麗ですね」
前に座っている女性に話しかけられた
「はい」
一応返事をする
知らない人に話しかけられるのはすごく苦手だ
「次は、螟�ゥ蝗ス�、螟ゥ蝗スです」
うまく聞き取れない
前の人が立ちあがる
「では、私はこれで」
もう一度外を見る
今度は青空が広がっていた
列車の前方を見る
線路の先は見えない
どこまで続いているのだろうか
『どこまでも』