何かに熱中しているときって微熱があるときぐらいに体が熱くなるけれど、最近はあの昂りを感じることがあまり無くて寂しい。

屋根に積もった雪が陽を浴びて溶けて、ポツンポツンと落ちていくのを見るのが好きだ。冬は静かで陰鬱なイメージがあるけれど、あの光景には陰鬱と陽気の調和かあって、布団にくるまってアイスを食べる的な気持ち良さがある。

ふとした拍子に、幼稚園生とか小学校低学年の頃の思い出が蘇ることがあるんだけど、思い出すことが無いまま十数年が経っていても、きちんと頭の中には残ってるなんて面白いなあって思う。きっとまだ頭の中にはたくさんの思い出が眠ってるんだろう。

夢十夜の第一夜を思い出した。「百年、私の墓の傍で坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」と言い残して死んだ女の墓の傍で男はその言葉の通りに百年待つ、という話。私もこんな幻想的でおぼろげな夢が見たい。

自転車に乗ってるときに手を離すとか、少し高い所から飛び降りるとか、子供の頃はそういうことをやってスリルを感じていた。だけど大人になった今では、そんなこととてもじゃないが怖くてできない。こういう風に、小さい頃を振り返って「何であんなことできたんだろう」って思うようなことが結構ある。