鏡を見れば自分の顔を知ることができるが、それは鏡ごしの自分でしかなくて、直接自分の目で自分の顔を見ることは一生ない。これって凄く不思議なことだと思う。眼球のすぐ近くにあるものが近すぎるがゆえに見ることができないなんて、この何ともいえない噛み合わなさに、この世のことわり的なものを感じる。

眠りに落ちる直前の「もうちょっとで眠れそう」ってなってる時の、あの頭がふわふわしている感覚が好きだ。起きながら夢を見ているような感じで、物凄い幸福感に包まれる。

私にとっての理想郷は布団の中だ。柔らかいしあったかいし、全てから守ってくれるような安心感をくれる。

小さい頃、布団で体を完全に覆って、真っ暗な空間を作るってのをよくやった気がする。その暗がりの中は、まるで自分だけの秘密基地って感じでワクワクしたし、目を開けても閉じても光景が変わらないことが不思議で面白かっし、ずっと暗闇を見ていると段々と宇宙にいるような感覚になり、そこから空想を広げていくのも楽しかった。

何を書こうとしたか忘れてしまった。その内容を思い出そうとすればするほど、どんどん遠くへ行ってしまう。行かないで。