休日にのんびりと過ごす
何かやる訳でもなく
ただ座って麦茶飲んで
TVをぼーっと見てるだけ
何も考えないでいられるこの時間が
身体も心も癒してくれる
空っぽのコップを見つめ
重い腰を上げて台所に向かうと
ピンっとシッポを立てた最愛の彼が
音もなくついてくる
仕方ないなーと表情を緩ませ
麦茶とチュールを手に
TVの前に再び座る
ゴロゴロと喉を鳴らす彼に
チュールを献上しつつ
あーこの時間がずっと続けばいいのに
と 時間が過ぎていくのを恨めしく思うのだった
「2人だけの」
海にプールにお祭りに
夏と言えば色々なお楽しみがある
あるけれども…
こんなに暑い夏は嫌だ!
扇風機だけで凌げていた昔の記憶は
間違えていたのか?
サウナと思って我慢していたら
間違いなく病院行きとなる
寒い冬よりも夏の方がよかったのに
これではどちらも嫌いな季節になってしまう
もう少しだけでいい
どうか気温を下げてください…
「夏」
蝉の鳴き声の合間に
凛と響く涼やかな音
そよぐ風は温いけど
その音が響くと何故か涼を感じる
窓の外は木漏れ日が眩しく
根本には猫が伸びていた
クーラーをつけようかと思ったけど
もう少しだけ夏を楽しむのもいいかもしれない
冷蔵庫から冷えた麦茶を持ってきて
扇風機のスイッチを押すと共に
即席宇宙人が降臨するのだった
「風鈴の音」
朝起きて仕事して帰ってきて寝る
変化なんて何も無い
変わらない日常
何か変わった事でもやってみようか
そんな気力も起きない毎日
楽しいことでも起きないかな…
なんて考えるものの
どこかで変化を恐れている
惰性で生きる毎日に
疲れと不満があれども
それはそれで仕方ないと諦めている
だけど
もしこの横道を歩いてみたら…
もしかしたら違う何かがあるかもしれない
そんな淡い期待を抱いても
いつかまた今度と目を逸らす
ちょっとした変化に飛びつく勇気が
出てくるその時までお預けになる
意気地無い自分に呆れつつ
今日も何も無い一日が終わる
「冒険」
湿気を含む空気と雨の後の土に匂い
これでもかと照らす太陽の下
自分の汗も混じり
雨の匂いとは違う独特の匂いが
鼻を掠める
いつもならフラフラと吸い寄せられる
甘いスイーツの匂いも
この暑さの中では魅力が失われる
今私が求めるのは
冷たいかき氷や水の
香りなき涼しい匂い
鼻を通るヒヤッとした感覚が
涼しい匂いだと感じる
湿気と冷気
これが夏の対局の匂いと言えよう
「夏の匂い」