凛世

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11/18/2024, 4:56:37 AM

空が灰色の雲に覆われて

寒さが音もなく降りてくる

風が吹く度に身を縮め

襟元を締め直す

手袋は何処にしまっただろうかと

寒さに凍えながら

凍りついてく思考を必死で探る

もういいやと諦め

新しい手袋を買ってしまう

そうして毎年

手袋が増えていく







「冬になったら」

11/17/2024, 5:16:44 AM

愛しいお前様

今何処に在りまする

生まれ変わりを信じ

血の涙を流し

手を伸ばして繋いだ誓い

今生も忘れてはおりませぬ

お前様の御魂を探し

幾度と繰返した命

決して途切らせぬように

彷徨い続けて在りまする

どうか どうか どうか

私の目に映えますよう

その御姿 御目見得下さいませ







「はなればなれ」

11/16/2024, 6:09:47 AM

猫がいる

鳴き声からしてまだ子猫だろうか

みーぅみーぅと寂しそうに

みーぅみーぅと必死な声で

親猫を呼んでいるのかもしれない

暫くの間鳴いていたが

いつの間にか静かになった

気になってしまい

いつも以上に授業が長い

チャイムが鳴る

窓の外には子猫はいない





「子猫」

11/15/2024, 12:47:54 AM

心地よい風から寒さを感じる風に変わっていく

駆け足で過ぎ行く時と共に

風景も日に日に変わっていく

冷たく変わる風は人の心も変えてしまうのか

あの人と熱く交わしていた視線が

いつの間にか違う方を見つめてる

気のせいだよと言って欲しいけど

気付いてしまって

壊れてしまうのが怖くて

何も言えないでいる

風よ お願いだから

あの人の心まで持っていかないで







「秋風」

11/14/2024, 4:16:25 AM

さよならと言うのは好きじゃない

永遠の別れのようで哀しい気分になるから

だから「またね」と言って離れるの

また会おうねの意を込めて

また会いたいと視線を送り

貴方の優しさを感じながら

ひと時の寂しさを紛らわして

貴方の「またね」の約束を胸に

次会える日を待つの

電話やLINEもいいけれど

やっぱり貴方の温もりを感じたいから

また会える約束が欲しい

だから今日もさよならは言わないで

「またね」と言って電車に乗ってね







「また会いましょう」

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