猫がいる
鳴き声からしてまだ子猫だろうか
みーぅみーぅと寂しそうに
みーぅみーぅと必死な声で
親猫を呼んでいるのかもしれない
暫くの間鳴いていたが
いつの間にか静かになった
気になってしまい
いつも以上に授業が長い
チャイムが鳴る
窓の外には子猫はいない
「子猫」
心地よい風から寒さを感じる風に変わっていく
駆け足で過ぎ行く時と共に
風景も日に日に変わっていく
冷たく変わる風は人の心も変えてしまうのか
あの人と熱く交わしていた視線が
いつの間にか違う方を見つめてる
気のせいだよと言って欲しいけど
気付いてしまって
壊れてしまうのが怖くて
何も言えないでいる
風よ お願いだから
あの人の心まで持っていかないで
「秋風」
さよならと言うのは好きじゃない
永遠の別れのようで哀しい気分になるから
だから「またね」と言って離れるの
また会おうねの意を込めて
また会いたいと視線を送り
貴方の優しさを感じながら
ひと時の寂しさを紛らわして
貴方の「またね」の約束を胸に
次会える日を待つの
電話やLINEもいいけれど
やっぱり貴方の温もりを感じたいから
また会える約束が欲しい
だから今日もさよならは言わないで
「またね」と言って電車に乗ってね
「また会いましょう」
私は辛いものが嫌いだ
口に入れたときの刺激
ツンとしたピリピリとした
食後もしばらく残るなんとも言えない感触
とにかく嫌いだ
だけどピーマンは大好き
それと似ているシシトウは
いつもドキドキハラハラしながら口にする
当たって美味しい時は本当に嬉しい
だけどハズレた時は失望感が半端ない
食べ物に文句を言うのは
罰当たりなのはわかっているけども
シシトウだけは
そのロシアンルーレット感が許せない
だけど当たりの子は美味しいから
やめられないのは仕方がない
「スリル」
ススキの穂を振りつつ遊んだ幼き日
何も知らずにただただ駆け回ってた
ススキの穂を引き抜くのが楽しくて
次々と採っていた
たくさんのススキを抱えて
持って帰っては
母にこんなにどうするの!?と
言われていた記憶がある
今はそんなススキ野原は
滅多に見られなくなった
何も無いただの野原で遊ぶ
それが贅沢なことだと
今になって知った
「ススキ」