もう嘘はつけない
気のせいだと思いたかったのに
一番有り得ないと思ってたのに
顔を合わせれば喧嘩になって
いつも私の邪魔ばかりしてきて
なんで来るのよ! って思ってた
だけどいなかったらいないで少し気になって
友だちとのお話も上の空になってしまって
それなのにいつも喧嘩になって・・・
あいつが他の女の子と楽しそうにしているのを見て
何故か胸が痛かった
私にはあんな態度なのになんで?
嫌な奴ってムカついてるだけだと思ってたのに
でも違うんだって気付いちゃったんだ
私はあいつの事が気になってるんだって
私以外の女の子にそんな笑顔見せないでよ
私にもその笑顔見せてよ
そう思うようになってた
それに気付いてしまってからは
叫びまくる心臓の音と
喧嘩しかできない苛立ちと
素直になれない情けなさで
複雑な気持ちいっぱいで
今日もあいつとやり合うんだ
「胸の鼓動」
水槽の中を
ヒラヒラと尾びれを舞わせ
行き交う金魚
上へ下へ自由気ままに泳ぐ様は
小さな舞台の上の踊り子のよう
水中の泡がキラキラ光り
踊り子に絡まり宝石に見える
この小さな舞台の中で
何も考えずのんびりと踊っていられたら
どんなに楽だろうか
「踊るように」
大通りの時計塔
いつもは気にしていなかったけど
今日は早くその音が聞きたかった
待ち合わせの時間が来るのが
楽しみだったから
時間毎に違うメロディ
11時はなんだっけ?
約束よりもかなり早く着いたから
早く時計塔の針が進んで欲しくて
じーっと見てしまっている
自分のスマホの時間と変わらないのに
何度も何度も見比べて
何やってるのかなーなんて思ったりしてると
急ぎ足で彼が現れた
約束の時間の5分前
お約束の「待った?」から始まる彼との時間
ウキウキ気分でその場を離れた
時計塔の11時のメロディ
結局確認できなかったけどいいよね♡
「時を告げる」
波打ち際の小さな巻貝
海の唄を沢山聞いて
その身に記憶しているのかな
耳にあてればどこの海のさざ波の音か
心地よい音が聞こえる
巻貝に私の想いを呟いて
再び海の波へと送り返す
海よ
どうかその巻貝を
あの人の元へと連れて行って
「貝殻」
選択ひとつで全てが変わる
それが右か左かだけだとしても
大きく結果が変わることもある
運命の分かれ道
いつでもそれは現れる
あっちを選んでおけばと
悔やむことは数え切れない
しかしそれも運命
選んだのは自分自身
ならばこれからは
小さきことでも後悔なきよう
未来を見据え慎重にいこう
「些細な事でも」