いつも心が欠けているように思うんだ
それは何故かわからない
楽しい時も苦しい時も
どこかぽっかり穴が空いているようなんだ
それはずーっと前からで
気付いた時はもう欠けていたんだ
満たされきれないこの感覚が
当たり前のようになっていて
みんな同じなんだと思ってた
どこか冷めた感覚の自分は
普通ではないのだろうか
「不完全な僕」
自然な甘い香りが漂う
あの人と同じ香り
顔を上げると
向かい側の椅子にあの人が座っていた
本に夢中になってて全く気づかなかった
両肘をテーブルに置き
組んだ両手の上に顔を置いて
真っ直ぐな視線を私に向けていた
にっこりと笑顔を見せ
やっと気づいた とつぶやくと
いつの間に頼んでいたのか
コーヒーが運ばれてきた
ふわっと漂う貴方の香りが
貴方のことを気づかせてくれた
「香水」
嗚呼 何故泣いている?
そんな顔しないで
周りが何を言っているのかわからない
ただ身体中が痛くて熱くて
聞こえないけど何かを言ってる君が
涙を流して必死なのがぼんやり見える
痛みに耐えて何とか笑って君の名前を呼ぶ
遠のく意識の中
お願いだから笑ってと願い全てが闇へとおちた
・・・そんな夢を見た
「言葉はいらない。ただ・・・」
家に帰ってくると
庭にちょこんと君は座っていたね
とても人懐っこくて
すぐに足元に擦り寄ってきた
綺麗な毛並みの猫
迷子になったのかな?
次の日もその次の日も
そのまま庭に座っていた
外に出ると
にゃーんと鳴いて擦り寄ってくる
その可愛さに家族みんながやられた
何時でも帰れるようにと家には入れなかった
それからずっと
その猫は今日も庭で座っている
もう君はうちの子だねw
「突然の君の訪問」
傘は持っている
でも今は雨に濡れたい
そうこれは雨の雫
眼から零れた雨の雫
神様が私を哀れんで
雨を降らせてくれたんだ
俯き力無く歩いていても
雨の中ならそこまでおかしい姿ではない
この雨で今までの思いを洗い流せれば
この辛い心を冷やし鎮てくれれば
雨は髪も服も涙も全て濡らしていく
周りに誰も居ない公園のベンチで
雨降る空を見上げ
思い切り泣いた
明日はまたいつもの私に戻れるように
「雨に佇む」