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7/27/2023, 12:21:58 PM

神様、もしくは誰かが舞い降りてきてこう言った。
"なんでそんな急ぐんだよ"
そりゃ、そうだろ。仲間がピンチなんだから。
"そうじゃない、なんですぐ向かうんだよ"
間に合わなかったら申し訳無いだろ。
"埒が明かない。いいか、よく聞け"
"今この瞬間、仲間を無謀にも助けにいくなら、
俺達の命は燃え尽きるだろう。"
だからなんだよ。それでも助けに行かないと、
あいつが飛ばされるだろ、
"よく見てみろ。椅子ゲージは何割だ"
ゲージ、5割…?
"5割救助は駄目だろう?"
そういえば、そうだった。
"それに見てみろ仲間のチャットを"
暗号機残り2で、91%、31%⋯
初心者の俺達には厳しいけど、
9割救助で、即通電。
危機一髪は持ってる。
箱から拾った信号銃も。
"勇気を出せ、プレイヤー。俺達なら行ける"

9割。いまだ!
恐怖の一撃は出なかった。
仲間を助けた瞬間、ヴゥーと音が鳴り響いた。
肉壁をしながらゲート近くの板に滑り込む。
ハンターは飽きたのか反対ゲートへ飛んで行った。
仲間を一応最後までかばいながら、

先にいくよ!

結果は4逃げ。完全勝利。
やった… "よっしゃあ!"
"お疲れ、プレイヤー。"
おつかれさま。
俺、決めた。
ピースが溜まったら必ず君を荘園に招待する。
"おう、楽しみにしとくぜ。"

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identity 5 第五人格

7/13/2023, 11:01:22 AM

劣等感を持つのは当然だ。
同い年で、同じ性別で、成績も同じくらいで、
身長も体重もほぼ一緒。
俺の方が身長高いけど。

話は変わるけど、俺は親ってものが嫌いだ。
良い親だろうが悪い親だろうが、
親って生き物が子どもを産んで育てるのが、
気持ち悪くてたまらない。
生まれてきてくれてありがとう。
そんなこと言われるやつはきっとひと握り。
俺はそのひと握りじゃない方。
だってそもそも、
親ってのは、自分が優位にたってると思い込んでる。
親ってのは、自分が絶対的に正しいと思ってる。
いやもちろん、感謝はする。
あなた達の大切なお金を食って育ってきました
お金をかけてくれて本当にありがとう
あなた達のお金のおかげで俺になりました。
本当にありがとうございました。
別に愛されなかったわけじゃない。
彼らの愛がお金だったってだけ。
ただちょっとだけ、
本当の恵まれた家庭を見てしまっただけ。
同い年のあいつの家は、
怒鳴られることも無く、
目覚まし時計を寝ている時に落とされることも無く、
お金を勢いよく投げてくることもなく、
鼻息荒く大きな音をたてて歩く人も無く、
なにより、
なにより家族みんなが笑顔だった。

ああ、
ああいうのを、「オヤ」って言うんだなって。
ずっと、俺は信じられなかった。
同級生のみんなが、親のことを好きだと言えること。
もちろん、もちろん俺も好き。
でも近くに居ると泣きたくなって、
何被害者ぶってんだって、
叫ばれるのはちょっと嫌だけど。
親孝行って何?
親に感謝するのが義務なの?
親嫌いなんだ〜まあよくあるよねって
ちっとも話を聞いてくれないのは、
きっとあいつが家庭に恵まれているから?

同い年で、同じ性別で、成績も
身長も体重も全部抜かされて。
挙句の果てに笑顔の家族がいる家。
ここでだしゆるしてほしい。
一つだけ、彼に悪口を言わせて欲しい。
きっと見つかったら嫌われるんだろうけどもう無理。

お前は、ずるいよ。

7/4/2023, 1:35:52 PM

神様だけがしっている。
セイカクにはあのこだけが。
あのこは神っちゃ神だが、
神じゃないっちゃ神じゃないらしい。
シンコウってやつとヒレイ?するらしい。
で、なにをしっているかというと、
わたしにはすこしわからないけど、
セカイがほろびたゲンインらしい。
しらないことばばっかりだけど、
学コウで習ったから、神って字はわかるよ!
えらいね、とあのこがなでてくれる時間がすき。
それでも、
それでもわたしは、
おばあ様のオネガイゴトをかなえなきゃいけない。
このやさしいやさしいこの神様を、
わたしの手で、
まだ、かんがえたくない。
もうちょっとだけ。
わたしがセイジンするまでは、
そばにいてくれないかな。

7/3/2023, 10:14:27 AM

「なぁ、あんちゃんはこの道の先に何があると思う?」
道とはいえなくも無い大地を踏みしめ歩く。
人に言わせれば砂漠、だろうか。
西暦にせん___何年だっただろうか。
もはやその辺の記憶も曖昧だが、
チキューオンダンカ、で大地はほぼ砂になった。
大人たちは我先にどこかに向かっていって、
残ったのは俺ら孤児だけ。
………正確には孤児と、物好き、詐欺泥棒。
先程から俺の周りをうろちょろしているこの男は、
おそらく後者だろう。
夜光街の残骸で話しかけたのが間違いだった。
次の街までついていく、と宣ったこいつは、
見たところ物資を何も持っていない。
こいつ、ぜったい詐欺泥棒だ。
孤児院の仲間が話していたから間違いない。
まともな教育を受けてない俺らを馬鹿にして、
こいつならいけると思ってやがるんだ。
くそ、くそ!
俺だって、俺だって親が死ななかったら!
なんて思っていてもしょうがねえ。
次の野営でどうにかこいつを撒こう。
「ちょっと、無視しないでよ。俺ちゃん傷ついちゃう」
「勝手に傷ついとけ」
「ひどい!」
そしてしばらくいっしょに歩いてわかった。
こいつ、うざい。
ずっとひっきりなしに話しかけてくる。
「あ、そうそう、」
「何?」
こうも不機嫌そうに返事しているのに、
こいつはどうにも諦めない。
ああ腹立つ。
「あんちゃんの名前、教えてよ」
「嫌」
「え、えじゃあ俺ちゃんが教えたら教えてよ。
俺ちゃんの名前、ハイキヒンって言うんだ。」
「約束してねえよ。ってハイキヒン?なんかどっかで
聞いた気が...」
「本当?俺ちゃんいまいち記憶なくてさ。
藁にも縋る思いなのよ。」
「...キョウ」
「えっ今日?」
「名前!キョウ!気が変わった!お前にしばらく付き合ってやる!!」

7/3/2023, 6:08:43 AM

日差しが眩しい。
「久しぶりの晴れなんだもん、当たり前でしょ!」
ずっと空をおおっていた暗い海が乾いて、
外出禁止令が無効になった。
それでもなんか、
自分の気分は沈んだまま。
一生このまま溺れてくのかも。
「どうしたん?」
隣に君が居てくれて良かった。
本当にそう思うよ。
だけどそれでもおっこちる。
人生で出会う太陽のひとつはきっと君だ。
確かにそう感じる。
けれど君じゃ僕の静かな沈没に気づけないだろ?
そんなもんさ。

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