もうあの頃には戻れないって、思い知ったときってない?
そんなの当たり前でしょ、てあなたは言うのかもね。
でも、私にはある。
環境が変わっても、人間関係が変わっても、自分の在り方は変わってないような気がしてたから。
その時の自分がどんな感じ方をしたどんな人間かを思い出せる?
それを忘れていることすら忘れて生きている事を知って、あなたはどう思う?
そんな時なんだよね、あぁ、もう戻れないんだって。
例えタイムマシーンがあっても、きっとそのときの私だけが行方不明な世界に行っちゃうんじゃないの。
寂しいね。
せめて手を振るよ、そのときの私に、バイバイって。
#バイバイ
年が暮れていく。
一週間の今年を残して始まる冬休み。
今年の思い出に想いを馳せながら、もう手に届かない目標を横目に過ぎ去る時間をだらだら過ごすだけで新しい年になる。
何をしなくても訪れる新年を、どんな気持ちで迎えよう。
#冬休み
泣かないで、かわいい吾子よ。
過去も未来もなく、ただ今この一瞬だけを全力で生きる君よ。
君の一秒一秒が幸福に満ちた時間であれと願いながらその小さな身体を抱き上げるこの限られた時間は、私にとっても限りない幸福の瞬間なんだよ。
泣かないで、かわいい吾子よ。
君の笑顔を一分一秒でも多く見ていたいんだ。
#泣かないで
少しだけ身体が熱い。
ズル休みする気にもならないくらいの。
誰かに不調を訴えるほどでもないくらいの。
私の中にある、私だけの、この、微かな熱を。
私はこの僅かな時間、少しばかりもてあましている。
私以外の誰のものにもならないのに。
#微熱
いつだったか、母にとって私はどういう存在なのかを尋ねたことがあった。宝物だと、母は答えた。宝物って具体的にどんなものを指すのか、母にとっての宝物ってどのくらい大事なものなのかよくわからなかった。
そんな母とは今では折り合いが悪く、数年に一度連絡を取るくらいになってしまった。
今では私にも子どもがいる。子どもから同じ事を尋ねられたとき、私はなんて答えられるだろう。
#宝物