僕が産まれて15年
嵐なんて見たことなんてなかった。
おばあちゃんだけだった
嵐を知っているのは…
多くの人の命がなくなったと教えてくれた
いつか出てみたいな……
嵐がどんなものか分からないけど
君を守るためなら僕はどんな嵐が来ようとも……
無敵でいられるんだ
(今はそう思わせてくれ……)
今日は数年ぶりの夏祭り
待ち合わせの場所で少し周りをみまわす
待ち合わせ時間30分前に君から連絡が来た。
(部活の時間が伸びてしまって……一緒にお祭り行けないかもしれません!お祭りや花火楽しんでください。)
あぁあ……来れないのか
1週間前から楽しみすぎたのは僕だけだったのか……
頑張って誘ったんだけどなぁ
君がいないとなんだか行く気がしないな
色んな話が出来ると思って色々と考えた僕がいちばん楽しかった気がする。
花火が始まってしまった。
始まる前に何組かに逆ナンされたけどそんな気分になれなかった。(君じゃないと……)
帰っていくお客さんも居なくなった。
鈴虫が心地いい……
待つ宵(まつよい)の時間が心地いいのかもしれない。
半泣きの君が走ってきてくれた。
あぁ楽しみだったの僕だけじゃなかったんだ……
「お疲れ様。歩きながら話そ。」
花火よりもこの時間の方が好きだ。
僕は1人山で遭難してしまった。
真っ暗な山の中ひとつだけ大空のに光り輝く空がついいつの心の支えだった。
こんなことになるんだったら……
しばらくすると子供のなく声が聞こえてきた
誰しもなにかホラーだと思う……
でも心配になって声を頼りにちかずいてみると
幼稚園くらいの男の子がしゃがんで泣いていた
こんな山奥に……
男の子は落ち着いてこっちを見てこう言った。
「砂を噛むような人生になってはいけないよ」
そう言うと男の子は暗闇に歩いていってしまった。
その後無事に見つけてもらってから(砂を噛むよう)を調べた……
なるほど
今から僕は彼女に大切な話をしに行こうと思っている
誰かのためになるのならば……
僕はいつもコンビニレジの横にある募金箱に10円を入れている。
いつものようにブラックコーヒーとお気に入りの菓子パン……
今日は財布に10円がなかった。
会計が終わる前に考えて……50円入れることにした。
そんな時
アルバイトの君が初めて話しかけてきた。
「優しいんですね」
簡単な言葉……
でもなんて返事していいか僕はまだ分からなかった……
無言で一礼してその場を去る僕だった。
初めて声をかけて貰えた事に僕は僥倖(ぎょうこう)だった……
コンビニを出てチラとレジを見ると少し赤くなった君の姿があったことを今でも忘れない。
数年後
僕はいつものように募金箱に50円を入れる。
「今どき募金箱に入れてくれるなんて兄ちゃん達偉いねぇ〜」
「誰かのためになるのなら……」
僕の精一杯の返事だった。
この言葉が言えるようになれたのは隣にいる君のおかげなのかな…
明るくて優しい君の隣にいても恥じないような人に僕はなれてるだろうか……
大空を僕はいつもこのカゴから見ている。
1回だけ大空を飛んだことがある。
楽しくて楽しくて……時間を忘れてしまった。
帰ってきた時の主人である女の子が泣いている姿を見た時。
もうこんな顔をいせてはいけないと思った。
だから僕はこのカゴから出たことはない。
笑顔で話しかけてくれる女の子のために。
いつか女の子に似合うような鳥になると!
そう思ったこぼれ日が気持ちいい日だった。