「秋恋」
夏のモクモクとした入道雲も
好きなんだけど
秋に見られるうろこ雲やひつじ雲を
最近、よく見かける
いつも空が気になり
散歩の時は空を見上げている
春は桜と青空の
見事なコラボレーションが見られて
卒業式や入学式の時期
別れと出会いの時期になる
空は黙って私達を見つめている
秋、
空が明るいと
秋の花や紅葉が楽しみである
今日は晴れるかな
曇りかな
晴れたらいいな
「愛する、それ故に」
昔の結婚生活は完全に
私の片思いだったけど
何処かにドーンと旅行したとか
何か買ってもらったとか
そんな大きな思い出より
ささやかな小さな出来事が
幸せな心に残る思い出となった
夫婦で一緒に歩いた記憶があるが
川べりの道をウォーキングして
川の中を覗いたり
鳥や木々の四季を楽しんだりして
毎日を過ごしていた
私はあまり欲がないのか
そういった小さな幸せを味わうのが好きだ
今でも朝のコーヒーや
空模様や雲の形
朝の空気とか
そういう、小さな小さな
ささやかな幸せが自分であるし
心に残る思い出になっている
「静寂の中で」
そこは森の奥にあるブルーの湖
風がそよぐと木々が囁き
ひっそりとした場所にある
森の奥の秘密の場所
私はそこに鍵をかけてある
誰も招き入れず
誰も届かなかった場所
自分が見つけた生命の水
湖を覗くと本当の私が水面に写る
今日の私は泣いていた
湖に写る私は泣いていた
そして、湖から
私の分身が立っていた
私は「祈り」と名付けている
もう一人の自分を見て
私は今日も
祈っていた
幸せになりたい
長らくそう思って来たけど
私は何事もない日に
生きているだけでも
充分頑張っている
生きている事そのものが
私なんだと思う
「燃える葉」
今年の紅葉はどんな景色だろうかと
考えながら目の前の
真っ赤に燃えるような彼岸花を僕は撮っている
最近、出会えた君の笑顔や
君の行動力
知らない世界へ飛び込んでいく勇気
君がふと見せる寂しさを
僕は思ったりした
真っ赤な彼岸花は君を思わせた
君は外国でエンターテイメントの世界で生きたいと
日本からアメリカヘ飛んだ
僕は君に恋をしていて
そんな君を見守る事にした
日本を忘れて欲しくなくて
こうして日本の花や景色を撮っては
LINEで彼女に送っている
昨日の彼女はちょっと落ち込んでいたから
僕は彼岸花を撮りに出かけた
彼女は喜んでくれるだろうか
彼女はアメリカでトライ&エラーを繰り返しつつ
毎日過ごしていた
エンターテイメントの世界も厳しく
不安も多くあるようだった
そして、今年の秋は久しぶりに
彼女が日本に帰国し
僕と会う事なっている
紅葉の秋に
情熱のままに行動する彼女
僕は彼女と会える秋が待ち遠しい
彼女はLINEで送った
彼岸花の写真をとても喜び
気に入ってくれた
彼女も僕達が会える秋を楽しみにしているようだ
今年の秋
僕は彼女に指輪を渡そうと思っている
「moonlight」
ドビュッシーの曲に「月の光」と言う曲がある
私がとても好きな曲
そして、ある情景を思い出す曲
私はその時
一人で暮らしていた
両親から離れ
一人で暮らすのは楽しかった
ある夜、たまたま散歩に行ってみた
シーソーやブランコがある公園まで行ってみた
近づいてみるとその公園から
静かな音楽が聴こえる
聴いてみたら「月の光」だった
空にも月が光を放っている
よく見てみると
ベンチの横で踊る女性がいる
月の光で踊るなんて珍しい人だ
私は声をかけてみた
「月の光で踊るのは楽しいですか」
「あ、迷惑でしたか」
「いいえ、月の光が好きなもので
ここのベンチで見ていて良いですか」
「はい、あまり上手くない踊りですが」
彼女の月の光のダンスは自己流だと言う
彼女の踊りは流れるような手の動き
脚の動きだった
何だか月の光も聴いていたかったけど
彼女の踊りもずっと見ていたかった
彼女は趣味で踊っていると言う
僕は彼女を見ていたいな
彼女のこれからを見ていたいなと思った
月の光の中
彼女は舞い続けていた