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6/24/2024, 11:14:10 AM

「ねぇ、1年後は何処にいると思う?」
「………。」
「私、北海道に行ってみたいんだよね。それも冬じゃなくて、夏に」
「なんで夏?」
「だって真冬の北海道なんてきっとすごい雪だよ。帰れなくなったら嫌じゃん」
それなら北海道じゃなくてもいいのでは、と思ったが言わなかった。そういえば、夏の北海道は比較的過ごしやすいと聞いた事がある。
「それでさ、青森、秋田、岩手……ってだんだん下がってきて、日本一周するの」
「それはまた壮大な夢だね」
「いいでしょ。冬は沖縄で過ごして、時間をかけてまたここに帰って来る」
移動手段は、とか、旅の資金は、とか、色々と問題はあるだろうが、まぁ案外悪くないなと思った。
「でも、今は明日の事さえどうなるかわからない」
僕の言葉に、少しだけ彼女の顔が曇った気がした。

6/23/2024, 11:10:57 AM

「君は子供の頃どんな子だった?」
「何だよ、急に」
「そういえば君の事全然知らないなって思ってさ」
ふいに顔をのぞき込まれ、驚いて一瞬、足を止めかけた。
「…別に、普通の子供だったけど」
顔を背けて言う。
「普通って何?どんな?」
「帰り道に友達と一緒に帰ったり、気が付くとその友達の群れから遠く遅れてひとりで歩いていたりした」
「足が遅くて?それとも会話に入れなくて?」
「どっちもかな」
うーん、と少し唸ってから彼女が言う。
「それって友達なの?」
「どうかな。友達というより、ただ帰り道が同じクラスメイトくらいの感覚だったかも」
「なんか可哀想」
「………。」
哀れみの表情を向けられて少しイラッとしたが、言葉には出さなかった。