【やわらかな光】
世界が全部この温かくて心地よい空間で満ち満ちていればもっと息がしやすいのに
残酷にも光があるってことは影がある
私が照らされてる時は絶対誰かが影にいて、その逆も然りの世の中なんだよね
それなのに私は、どうか私をその光で守ってと叫ばずにいられない
ずっと冷たいジメジメしたところにいるのはあまりにも苦しいから
誰も私を刺激しないで刺さないで脅かさないで
ぬくぬくとゆうゆうと居させて
なんて傲慢だったら誰も助けてくれなくなるのかなあ
それでも私は幻まであるあの光を諦めずにはいられない
いっそその光の束で優しく優しく私の首をぐるぐる巻きにして
気付かぬうちに天まで引っ張られていたらどれだけ幸せなのだろう
【カレンダー】
ギチギチに埋まった手帳を見て苦しくなるけれど
何故か予定を埋めて計画する時は気が踊る
明日は、週末は、来週は、来月は、、、
って予定を立てては
一日一日を過ごす
そうして忙しなく一日をこなして
確実にスキップせずに
毎日1秒ずつ均等に過ごして
気づいたら次のページにワープしてる
いつか嬉々として埋めた予定は
たとえ前日どんなに逃げようと足掻いても
確実にその日を過ごしていて
その日を過ごした証拠が残されている
今日は
夏休み 最後の日
明日からの「予定」が
ワクワクであり恐怖であり
明日、自分はどう過ごすのだろうと妄想してる
過ぎ去った時を振り返ってみれば
空白ばかりですっからかんの時が流れてて虚しくなる
でも確実に
その日1日をしっかり生きた証拠に
今日一日が流れている
【愛があれば何でもできる?】
そんな風に
相手の愛に甘えて何でもさせようとする姿勢が
どれだけ図々しくどれだけ烏滸がましいことか
そんなことを聞くあなたは
相手のことを愛しているのだろうか
本当に愛があるのならば。
「何でもする」は、相手を幸せにするひとつの手段でしかなくて
愛があることの理由づけにはならない
「何でもする」の言葉の重み
自己犠牲以外のなにものでもない言葉
断る勇気がないからって簡単に使うな
何でもした先に残るものは果たして何なのだろうか
愛があれば
あなたへの、愛があれば。
何でもできる人に、憧れこそしないけど。
到底そんな約束ができるほど自分を手放すことはできないから。
そんな人こそ愛を受ける側になって、なんでもされる側になって欲しい、と思う。
【ところにより雨】
他人事に聞き流したお天気お姉さんの言葉
耳だけ覚えてて
よりによってここかと思い出す
私の頭の上にだけ雨雲があって
どこに行っても引っ付いてくる
そんなアナ雪みたいな世界線を彷彿させる
それくらい私が居るところはいつも晴れなくて
お天道様とは目が合わない
きっと誰もがどこかの誰かの他人事で
「ところ」の私なんて見えてない
ちっぽけな私の雨雲に気づくのは
衛星画面を目を凝らして見てくれた
今朝のお天気お姉さんだけ
そんなつもりなくても
いい加減冷えきってしまうから
どうか芯まで心まで冷える前に
目には見えないどこかの
あなたの温もりを感じたい
まさかあなたも
「ところ」ではないことを願って
【タイムマシーン】
変えたい過去は沢山あるけど
それがあったから今がある
も一度同じ経験なんて願い下げだ
だったら過去のままそっとしときたい
未来の自分は未知すぎて怖いけど
それを知るのはもっと怖い
未来の決定権は良くも悪くも今の自分だ
だったら知らないままでいたい
昔の自分が 未来の自分が
今の自分を見たらどう思うかな
いつになってもこいつは変わんねーなとか思うのかな
見たくないもん見ちゃったとか思うのかな
向き合わないと痛い目見るのは自分だけど
向き合いすぎて今がおろそかになる時もあるよね
死後の世界、産まれる前の世界
その立ち会った瞬間瞬間が起因となってて
その瞬間を作ると思うと
壮大すぎて怖いが勝つ
ドラえもんってたまにそういうの考えさせられる
夢ないかよって笑われそう
どの時代でもおもろそうではあるけど