平穏な日常
変化なんかいらない!
ずっとそう思って生活してきた。
幼い頃の育った環境が原因だ。
田舎での生活は、良くも悪くも他人が入り込みすぎる。
お金のない家の子という目で見られるだけでなく、言葉や態度にも現れる。
お金持ちでなくてもいい、普通の家庭に生まれたかった。
私は結婚して、普通の生活を手に入れた。
子育てもして、仕事もして、忙しくも充実した普通の生活。
なのに、なんだろう。
この平穏な日常がつまらないと感じる。
愛と平和
愛とは何なのか。
平和とは何なのか。
そんな事を語れるほど、自分は優れた人間ではない。
過ぎ去った日々
ネガティブな性格の私は、過去を後悔してばかりいる。
今更、過去は変わらないとわかっていても、後悔せずにはいられない過去の日々がある。
その日々があるから今があると、頭ではわかっているのだが。
今も、後悔している。
ダラダラ過ごしてしまった今日という日を。
お金より大事なもの
「同情するなら金をくれ。」
今の若者は知らないかもしれないが、昔のドラマの有名な言葉だ。
「お金より大事なものは、お金がないと守れないんですよ。」
有名な漫画の台詞だ。
「お金なんてなくても」という台詞を言える人がいるが、本当の貧乏を知らないから、そんな言葉が言えると思っている。
半世紀以上生きてきた私は、あの時お金があったなら、という場面に幾度も出くわして来た。
建前でなら、お金より大事なものはたくさんあると言える。
でも、本音では、お金はないよりもあったほうが、より心に余裕を持って生きていけると思っている。
月夜
「お母さん、今日、星が見えるよ。あっ、月も綺麗。」
車を降りた娘が言った。
「そうだね、今日は雲がないからか、星がたくさん見えるね。」
そんな言葉を、毎日交わしていた。
学校の部活のあと、塾に通っている娘のお迎えの時間は21時過ぎ。
家に着くのは22時。
地方の田舎の町では、電車もなければバスも遅くまで運行していない。
私の車での送迎が、毎日当たり前の生活だった。
いつも月や星が見えるわけではない。雨の日や曇っている日はもちろん見えない。
見えない日でも、家に着いて車を降りると、娘は空を見上げる。
今思うと、空を見上げて月や星が見えたと二人で交わす、そのたった一言二言が、娘の学校生活の、部活の、塾でのプレッシャーや重圧からの解放に繋がっていたのではないだろうか。
今、娘は独り立ちして一緒に暮らしていない。
夜、月や星を見ることも少なくなった。
今日の月は平凡な月だけど、携帯電話で写真を撮って娘に送ってみた。
娘からも返事が来た。「私も見たよ。」と。