草原に立ち尽くす君の白いスカートが揺れた。
2025/07/05 #青い風
君はずっと私の後ろを走っていた。
後を追いかけてくるその姿を君の視線の先から眺める。距離を縮められないように。君がもっともっと先へ頑張ってくれるように。だから私は君に追い付かれてはいけない。
もしそんな時がくれば君はどんな顔をするだろうか。失望が達成感か。いずれにせよ怖いのは確かだ。
独りよがりな我儘だけど、どうかその足を止めないで。遥か先を目指して、
2025/07/04 #遠くへ行きたい
「クリスタルとガラスの違いって何だろうね。」
グラスにゆっくりとサイダーを注ぎながら君は言った。双方、キラキラと瞬い光を反射して煌めき、どこまでも透き通る色で惹きつける。
でも質が違うのではないか。重さ、反射した光の強さ、指で弾いた時の音、エトセトラ。
それを私は君に伝える。君はにこやかに話し始める。
「このグラス、クリスタルガラスで出来てるの。クリスタルって色んな意味があって、水晶とか、キラキラ輝くもの全部を指すこともあるんだって。不思議だよね。違うものって簡単に言えるし何となく理解できるけど、実際はたいして変わらなかったりして。」
サイダーを流す。パチパチと口内を少しだけ刺激し、冷たいそれが喉を通っていく。若干炭酸が少し抜けている。
「結局は紙一重なんだよね。色んなものが。サイダーとソーダ、ラムネだってそう。馬鹿と天才もさ。」
君は私を見つめる。視線が熱い。
「だからさ、この写真のあなたの隣にいる女性は友達?友情の上で成り立っている関係?それとも...。」
生唾か、はたまたサイダーか、とにかく味がよくわからない液体をごくりと私は飲み込んだ。
2025/07/02 #クリスタル
うだるような暑さの中、アスファルトの坂道を自転車で駆けていく。肌で感じる青葉と向日葵、そしてほんの少しのペトリコール。
家に着けば、扇風機と氷菓。今日はチョコの匂い。
2025/07/01 #夏の匂い
子供の頃の夢は「けーキやさん」でした。カタカナを混ぜて書くな。統一しなさい。
2025/06/23 #子供の頃の夢