Ling

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「クリスタルとガラスの違いって何だろうね。」

グラスにゆっくりとサイダーを注ぎながら君は言った。双方、キラキラと瞬い光を反射して煌めき、どこまでも透き通る色で惹きつける。
でも質が違うのではないか。重さ、反射した光の強さ、指で弾いた時の音、エトセトラ。
それを私は君に伝える。君はにこやかに話し始める。

「このグラス、クリスタルガラスで出来てるの。クリスタルって色んな意味があって、水晶とか、キラキラ輝くもの全部を指すこともあるんだって。不思議だよね。違うものって簡単に言えるし何となく理解できるけど、実際はたいして変わらなかったりして。」

サイダーを流す。パチパチと口内を少しだけ刺激し、冷たいそれが喉を通っていく。若干炭酸が少し抜けている。

「結局は紙一重なんだよね。色んなものが。サイダーとソーダ、ラムネだってそう。馬鹿と天才もさ。」

君は私を見つめる。視線が熱い。

「だからさ、この写真のあなたの隣にいる女性は友達?友情の上で成り立っている関係?それとも...。」

生唾か、はたまたサイダーか、とにかく味がよくわからない液体をごくりと私は飲み込んだ。


2025/07/02 #クリスタル

7/2/2025, 1:10:57 PM