きっと明日も想いを馳せる。
2024/09/30 #きっと明日も
ネオン街には蝶がいる。その蝶たちは自身を売り、自ら標本になる。
ビルの最上階から夜の街を眺める。こんなにも見てくれは美しいのに、少し傷がつけばそこからどれだけの膿が溢れるのだろうか。どんなに美しいものも化けの皮を被ることで、本来の醜さを隠すのだ。
人間も顔を剥げばどんな醜悪なものが見れるのだろう。
好奇心を満たすため今日も美しい夜景に紛れ、自身の手を汚く染めていく。所詮人間そんなものさ。
2024/10/18 #夜景
色鮮やかな花々が咲き誇る。私は一人歩いている。
穏やかな日に当たり、頬を心地よく撫でる風が吹く。私は花のベッドにゆっくりと腰を下ろし横たわった。草花の香りが身体中を巡り、ゆっくりと私は力を抜いた。そのまま意識を手放して。
あんなに穏やかな日から何年が経っただろうか。かつての色彩は失われ、代わりに冷たく固いコンクリートが大地を覆っている。穏やかな日は皮膚を突き刺す光に、心地のよい風は汚染された空気を運ぶようになってしまった。これを発展と呼ぶべきか。
そんなことを考えながら、延命装置を外し意識を手放した。
2024/10/18 #花畑
ぽつりぽつり。しとしと。ざーざー。
空の泣き方はいつも違う。今日はどうして泣いているんだろう。
きっと嬉しくて泣いているんだ。
今日みたいな天気は天泣とも言うらしい。
明日も元気になーれ!
2024/10/08 #空が泣く
聞き慣れた通知音が鳴る。友人からだ。
他愛もない話をして、キリが良くなったらやめて、スマホを置く。
少しソワソワしながら、雨のように降り注ぐ時間を受け止める。
聞き慣れた通知音が鳴る。母からだ。
今日の夕飯の話を軽くして、要件を済ませば、スマホを置く。
ため息を一つ溢して、河のように流れる時間に身を委ねる。
聞き慣れた通知音が鳴る。君からだ。
少しだけ、ほんの少し喋ってスマホを惜しみながら置く。
体中の血液と一緒に多幸感が巡り巡って、目眩がするほど脳が麻痺する。
明日もどこか期待してしまう自分がいる。
2024/09/16 #君からのLINE