『日陰』
さかなに海が あるように
空に鳥が いるように
夏にはセミが 鳴くように
冬には鶴が 来るように
ひなたが似合う 人がいる
日陰ばかりの 僕がいる
かがやく場所が 違うんだ
誰にもあるんだ その場所が
僕は日陰の 花だけど
陽射しが強くて 怖いんだ
少し疲れた その顔を
今日も笑顔に 変えるんだ
『帽子をかぶって』
帽子をかぶって マナー違反になっても
帽子をかぶって 叱られたって
帽子をかぶって それが私のらしさ…で
帽子をかぶって それがあなたの鎧で
服も靴も アクセサリーも
チャンネルみたいに 切り替わる
バッグも帽子も 空飛ぶじゅうたん
世界を可憐に 生きるため
帽子をかぶって たとえ治療のせいでも
帽子をかぶって おしゃれをしよう
帽子をかぶって あたまポンポンたたいて
帽子をかぶって それが好きって合図
帽子は小さな かくれんぼ
帽子はふしぎな 絵本の世界
帽子は 透明人間で
帽子をかぶれば 闊歩し行こう!
『小さな勇気』
マラソンも一歩から
チャリティーは一円から
音楽もスポーツも
はじまりがたいせつで
それはまるで、雪だるま
小さな勇気がコロコロ、コロコロ
でっかくなって、強くなる
才能も愛情も
なくたっていいんだよ
でも少し、あと少し
発芽する、時もある
それは奇跡、レボルーション
小さな勇気がすくすく、すくすく
でっかくなって、熱くなる
それはまるで、雨のつぶ
小さな勇気がポツポツ、ポツポツ
でっかくなって、海へゆく
小さな勇気は、その一歩
小さな勇気は、ひと声で
小さな勇気は、きっと、ある
『わぁ!』
驚く顔が 面白いんだ
泣いてる声は ちょっと可愛い
怒った瞳 美しいんだ
喜ぶ手振り 大袈裟なんだ
わぁ!
その顔が 毎日見たくて
おどかす僕は 罰のお掃除
わぁ!
仕返しを たまにはしてくる
そのたび君が 天使に見える
わぁ!
老いたって いろいろやりたい
死ぬまで君は 憧れだから
終わらない物語
「ねえねえ、シンデレラはあのあと、
どうなったの? しあわせだったの?」
「ねえねえ、桃太郎はそのあと、
どうなったの? また何かしたの?」
「ねえねえ、恐竜って絶滅
したんだよね? みな死んだのかな?」
「ねえねえ、人生っていろいろ
プラスマイナス ゼロってホントかな?」
「ねえねえ、地震とか天災?
たいへんなのは 残ったあと…よね?」
「ねえねえ、終わらない物語
どうなるかな? だからこそ…楽しい、ね?」