とりとめもない話
きみのスーパーの袋のように
無国籍すぎる料理のように
ぼくのこれまでの暮らしのように
まだ照れて愛を言えないように
バラバラだけど大切なもの
そこにいっぱい、しあわせがある
とりとめもない話のようで
二人にとっては、上質な映画
いつかうんざりの会話になって
一人きりの夜が嬉しくなって
たまにこっそりと贅沢をして
卒婚もいい…と、思ったりして
イロイロだけど乗り越えてきて
苦労ばかりと、腹立つけれど
とりとめもない話のように
アルバムになって、笑顔をくれる
とりとめもない話のように
それでホッとできる、二人の歴史
風邪
のどが痛い
咳が出る
鼻水が止まらない
高熱が出た
不平不満を叫び
怠けて時間をつぶす
病気になったら途端に
死ぬことが怖い
永遠なんてないけれど
命の終わりを忘れちゃう
風邪になるのはいましめか
僕らを焦らせあおぐのか
一生懸命、生きてやる
愛するあの子に、言ってやる!
うなされ耐え抜き、熱が下がれば
へなへな、
へなへな、
平熱なれば、弱気が戻る
愛ってやっぱり病気なんだね
発熱しないと駄目みたい
雪を待つ
今夜はイブで深夜に雪の予報
仕事帰りに待ち合わせして
スーパーで残りの惣菜を買って
店を出たならホワイトクリスマス
慌てて車を走らせて帰宅して
お風呂に入ってシャンパンあける
ターキーにケーキにローストビーフ
窓を開けたら吹雪になってた
きみがいた頃のクリスマス
今は温暖化で雪もない
今年も0時までドライブをする
あの日のような、雪を待つ
この世に奇跡があるのなら
しあわせな日々を取り戻したい
世界は愛であふれてるだろう
おすそわけのような、雪を待つ
イルミネーション
夜中の電飾で飾られた看板や
まばゆいヘッドライトの流星群
高いビルから見下ろせば
魔法使いがこの街に
命をあずけた
工場夜景に若者の喧騒
ゲロ吐くおじさんに香水おばさん
流れる電車の乗客は無機質
心臓みたいに点滅する
この世の腹の中
生きているんだ
輝きたいんだ
光の数だけ
人生なんだ
キラキラするんだ
目立ちたいんだ
おれは此処にいる
なぜ?気づかない!
イルミネーション
それが人なんだ
愛のコンセント
だれか?差してくれ!
愛をそそいで
もらった球根を育てたら
赤いチューリップの花が咲いた
今ではベランダでミニ菜園
応えてくれるから愛しくて
ねだって我が家にやってきた
ペットのにゃん太は推しアイドル
今では介護をやっている
ペットもわたしの家族だから
愛をそそいで
愛をそそいで
愛はいっぱい、あるけれど
愛をそそいで
愛をそそいで
愛が少しも、降らないの
わたしの胸には…