詩『明日世界が終わるなら』
明日世界が終わるなら
きみは今からどうしたい?
貯金全額引き下ろし
ごちそう食べて歌おうか
それともずっと片思い
彼に告白してみるかい?
きっと強盗、殺人と
暴走してゆく人も出る
明日世界が終わるなら
ぼくはふつうに暮らしたい
お金や欲望なんかより
小さなしあわせだけでいい
何かを手にすりゃ惜しくなる
希望ぐらいがいいんだよ
明日世界が終わるなら
きみと缶コーヒー飲んでたい
詩『君と出逢って』
テレビの電源ボタン、押したように
サブスクで曲名、選んだように
夜空に咲く花火に、驚いたように
ペット屋の仔犬と、目が合ったように
君と出逢って、地球は回った
人生がスタート、動き出したんだ
君と出逢って、恐怖も知った
一人占めしたくて、愛しすぎてゆく
いつもはしない料理に、挑戦したり
下手クソなスケッチ、書きたくなったり
嫌いな勉強さえも、楽しくなったり
両親の小言も、素直に聞けたり
君と出逢って、地球は回った
すべてがいとしく、感じ出したんだ
君と出逢って、自分を知った
何もかも持ち合い、愛し合いたくて
詩『耳を澄ますと』
眠るまえ、耳を澄ますと
静寂が聞こえる
それは冷蔵庫のコンプレッサー?
それはレコーダーの回転音?
それは自動車の走行音?
それは夜行性の虫の生きる声?
そして、どっくんどっくん
私の心臓の音がする
眠るまえ、耳を澄ますと
静寂が聞こえる
静かだけれど無音じゃない
非情で冷たい世の中だけど
悲しく苦しい人生だけど
耳を澄ますと、聞こえてくる
それだけじゃないと
優しい音が…、
詩『二人だけの秘密』
恋の栄養素は
二人だけの秘密
増えるほどに燃える
そっと触れたキスも
二人だけの秘密
ショーの開演ベル
怒鳴りあった夜も
二人だけの秘密
維持と未練のハート
さようならのことば
二人だけの秘密
胸のおくで…凍結
詩『優しくしないで』
手加減しないで
同情しないで
見下してるの?
こどもあつかい?
愛しているの?
勘違いさせないで
そう
優しくしないで
ずっとあいつは
ライバルなんだ
いいわけしないで
手を貸さないで
ごめんも言わないで
頭を撫でないで
肩を抱かないで
好きにさせないで
ああ
優しくしないで
いつもあいつで
いっぱいなんだ
仔猫のわたしは
あいつに夢中