詩『これからも、ずっと』
これからも、ずっと
たぶんあなたは、勝ち組です
これからも、ずっと
ガザの少女は、願わない
これからも、ずっと
嘘と知ってて、言う日もある
これからも、ずっと
それは誓いか、脅迫か
これからも、ずっと
「止まれ時間よ」奪わないで
これからも、ずっと
ふわり飛ばした、シャボン玉
これからも、ずっと
此処で暮らして、ひそかに死ぬ
これからも、ずっと
しあわせ探しの、旅の途中
詩『沈む夕日』
もう、
こんな時間だ
おうちに帰るの?
ママが待ってるの?
夕食はカレーがいいね
今晩、テレビは何がある?
遠い、
帰り道
宿題あったっけ?
パパ、早いといいな
疲れたぁ、すぐ眠りそう…
あしたは、何して遊ぼうか?
赤く、
染まる田んぼ
沈む夕日が
ビデオカメラなら
主役の僕らは
幸せそうに映るんだろうな
実は、
(学校…こわい)
子供ごころの
ドロドロやネチャネチャ
大人は忘れて
朝日になって、昇るらしいよ
詩『君の目を見つめると』
いたずらで、いじわるで
まっすぐで、きびしくて
純情で、楽しげで
やさしくて、さみしげで
怒ったり、憎んだり
不安げで、ほほえんで
この僕は、そのたびに
ドキドキが、止まらない
宝石も、かなわない
いつだって、愛してる
閉じたって、美しく
運命も、ひざまずく
君の目を、見つめると
電源は、オンになる
ミュージック、流れ出す
世界はもう、二人きり
生きていて、うれしくて
涙する、僕がいる
君の目を、見つめると
心臓が、暴れだす
けんかして、仲直り
好きになる、なんどでも
見えている、世界には
この僕を、永遠に
愛してる、永遠に
詩『星空の下で』
四月の上旬の夜は
まだ少し肌寒くて
変わりゆくこの町は
遅いさくらを散らしてる
親戚の伯父さんの訃報
友だちの転勤
変わらなきゃって、思うけど
僕は今が、好きだった
見上げれば
永遠のような光のつぶがある
10年後も100年後も
僕らを見ているのだろう
あなたに急に会いたくなってくる
変わらぬ夢、変わらぬ愛
見上げりゃ必ずそこにある
そう願って、寝転んだ
星空の下で
詩『それでいい』
おやじ、なんだよ
ん、それでいい
うるさいなー、なに?
じゃ、それでいい
話しかけないで
もう、どっちでもいいってば
わかった、それでいい
娘よ
それでいい…
「それで」は冷たい言葉じゃない
信頼ときずな、だから
なに言ってるの?
気持ち悪いなー
そう、
それでいい
今日も我が家は平和だなぁ
これがいい