6/16/2025, 12:31:43 PM
あいつが家を離れてから
もう長いのか
一人で過ぎていった時間
置き去りにした思い出
ノートの中
下手な文章
筆跡も書き方も全く違う
12/25と12月26日
何で笑った
何で怒った
そんな誰でもできる話を
誰でも書ける話を
今はお前から聞きたいと思ってる
6/15/2025, 2:03:08 PM
一滴の湯が落ちるたび
舞うのは、ほろ苦い薫り
鏡を見れば
確かにやつれた俺がいる
一人で迎える日曜の朝
頭が覚める頃には
二つ淹れてるハンドドリップ
片方にはミルクと砂糖が入ってた
6/12/2025, 2:47:56 PM
「二人で出掛けました
久しぶりでした
木曜日でした
喫茶店の定休日でした」
机の上
放り出された
あいつの日記
ノートに綴られた数行
全く変わらない下手な文章
きっと明日には
一人で行ったコンビニの話が入ってるだろう
始まりの日から日付と一緒に
ずっと続いてる下手な文章
次の木曜は二人で買い物でも行こう
俺のことも
書いてほしいから
6/11/2025, 2:28:00 PM
黄色くなった森には雨が降っていた
動く黒色の眼
枯れ葉に紛れた毛並と
涼しさひんやりと染みる耳
穴の中、ひょこりと小さく顔を出す
顔に当たる水滴に
思わず目をつぶる
柔らかい落葉にしぶきが落ちる
雨雲はツタの張った老木を濡らす
重たい殻を背負って
眠っていた顔を湿らせる
まだ辺りを見渡しながら
ゆっくりと歩き始める
題 雨音に包まれて
6/10/2025, 3:33:16 PM
二人で居たあの部屋
統一された黒色の家具
二人だと隙間だらけのテーブル
お揃いのマグカップ
テーブル越しあなたを眺めた
「美しい」
不思議とそう思ったことはない
ただ、あなたは愛おしい
美形だとは思うその顔も
手入れの行き届いた髪も
それ自身が好きだから
美しいなんて思わなかったんだろうね