6/15/2025, 2:03:08 PM
一滴の湯が落ちるたび
舞うのは、ほろ苦い薫り
鏡を見れば
確かにやつれた俺がいる
一人で迎える日曜の朝
頭が覚める頃には
二つ淹れてるハンドドリップ
片方にはミルクと砂糖が入ってた
6/12/2025, 2:47:56 PM
「二人で出掛けました
久しぶりでした
木曜日でした
喫茶店の定休日でした」
机の上
放り出された
あいつの日記
ノートに綴られた数行
全く変わらない下手な文章
きっと明日には
一人で行ったコンビニの話が入ってるだろう
始まりの日から日付と一緒に
ずっと続いてる下手な文章
次の木曜は二人で買い物でも行こう
俺のことも
書いてほしいから
6/11/2025, 2:28:00 PM
黄色くなった森には雨が降っていた
動く黒色の眼
枯れ葉に紛れた毛並と
涼しさひんやりと染みる耳
穴の中、ひょこりと小さく顔を出す
顔に当たる水滴に
思わず目をつぶる
柔らかい落葉にしぶきが落ちる
雨雲はツタの張った老木を濡らす
重たい殻を背負って
眠っていた顔を湿らせる
まだ辺りを見渡しながら
ゆっくりと歩き始める
題 雨音に包まれて
6/10/2025, 3:33:16 PM
二人で居たあの部屋
統一された黒色の家具
二人だと隙間だらけのテーブル
お揃いのマグカップ
テーブル越しあなたを眺めた
「美しい」
不思議とそう思ったことはない
ただ、あなたは愛おしい
美形だとは思うその顔も
手入れの行き届いた髪も
それ自身が好きだから
美しいなんて思わなかったんだろうね
6/8/2025, 2:42:48 PM
曇天と止んだばかりの雨
酒のつまみを買いに
黒いスニーカ
濡れることも気にせず
突っ込み濁る水溜まり
コンビニへ歩く
このアスファルトの一本道
消したくない思いでの場所
今一人で歩く場所
シャッターと入居募集の看板がならぶ
まだ土砂降りだった雨
待ちぼうけしてるあいつのところ
一つだけ持ってった傘と
並んで見えなかったラピスラズリ