ヤツノ

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6/11/2025, 2:28:00 PM

黄色くなった森には雨が降っていた
動く黒色の眼
枯れ葉に紛れた毛並と
涼しさひんやりと染みる耳
穴の中、ひょこりと小さく顔を出す
顔に当たる水滴に
思わず目をつぶる
柔らかい落葉にしぶきが落ちる

雨雲はツタの張った老木を濡らす
重たい殻を背負って
眠っていた顔を湿らせる
まだ辺りを見渡しながら
ゆっくりと歩き始める

題 雨音に包まれて

6/10/2025, 3:33:16 PM

二人で居たあの部屋
統一された黒色の家具
二人だと隙間だらけのテーブル
お揃いのマグカップ

テーブル越しあなたを眺めた
「美しい」
不思議とそう思ったことはない
ただ、あなたは愛おしい
美形だとは思うその顔も
手入れの行き届いた髪も
それ自身が好きだから
美しいなんて思わなかったんだろうね

6/8/2025, 2:42:48 PM

曇天と止んだばかりの雨
酒のつまみを買いに
黒いスニーカ
濡れることも気にせず
突っ込み濁る水溜まり
コンビニへ歩く
このアスファルトの一本道
消したくない思いでの場所
今一人で歩く場所
シャッターと入居募集の看板がならぶ

まだ土砂降りだった雨
待ちぼうけしてるあいつのところ
一つだけ持ってった傘と
並んで見えなかったラピスラズリ

6/6/2025, 3:21:53 PM

今まで見た景色
美しい
それでいて生き生きとした景色
裸足で行こう
川に冷やされ、土を踏みしめ、草花と笑う
白いワンピースで
風を受けよう
いろんな場所でいろんな風を浴びて
笑ってた風、叫んでた風
さて、どこまで行けるのか
一人のようでも寂しくはない
出会いはきっと無限にある

さあ、行こう。


6/4/2025, 4:33:05 PM

この頃珍しいステレオタイプの喫茶店
レンガ造りの壁と黒塗り鉄製の看板
重厚感のある焦げ茶色の扉
開いた先
入店を知らせるベルの音
カウンターのマスターへ響く

足取りは吸い込まれるよう
椅子はマスターの前の物
「コーヒーを一つ。ミルク入りで。」
洗練された豆を挽き
丁寧に湯を落としていく
特別見るものでもない
しかし、興味が湧いた
「明日も、また来ます。」
彼は微笑み浮かべて
ペールに掛かったコーヒーを差し出す
「約束ですよ。」




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