ヤツノ

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この頃珍しいステレオタイプの喫茶店
レンガ造りの壁と黒塗り鉄製の看板
重厚感のある焦げ茶色の扉
開いた先
入店を知らせるベルの音
カウンターのマスターへ響く

足取りは吸い込まれるよう
椅子はマスターの前の物
「コーヒーを一つ。ミルク入りで。」
洗練された豆を挽き
丁寧に湯を落としていく
特別見るものでもない
しかし、興味が湧いた
「明日も、また来ます。」
彼は微笑み浮かべて
ペールに掛かったコーヒーを差し出す
「約束ですよ。」




6/4/2025, 4:33:05 PM