6:30ベットの上、あの歌で目を覚ます。
「おはよう。」
返してくれる相手
いつも、右を向けば寝顔が見えた
今、手で探っても冷たいシーツが痛いだけ
二人で寝るに狭かったダブルベッド
広すぎて落ち着かない
はみ出さないよう大きな布団を買った
重くて鬱陶しい
おそろいにしたピアス
「永遠」を込めたラピスラズリは
始めから右側だけ
特別好きでもない歌は
あんたが残した最後の呪い
俺の横でいつも弾いてた
アコギのメロディー
体に嫌でも染みている
自然と入れたコーヒーの二杯目は
俺の苦手なスイートミルク
題 歌
たった、1秒。
それにも満たない瞬間
宙に放り出される
いくら、羽を降っても
僕に飛ぶ力はない
薄く敷かれた土の上
直ぐそば
車が僕を吹き飛ばす
「落ちちゃったの?」
それは、僕を手に置いて
もう落ちないように
もう吹き飛ばされないように
やさしく包む
そっと、包む
机と机の間、落ちた鉛筆
それに伸びるあなたの手
私に差し出すあなたの手
こちらに向けた茶色の目
私は○○を覚えたようです。
あの瞬間は巻き戻って
まくら元、心臓に付き合って
止まぬ覚醒と瞳孔をもって
今夜は眠らないまま朝を待つ
私は昨日とまるで違うようです。
いったい、いつだったのか
カーテンを閉めた、薄暗い部屋
いったい、いつから閉めていたのか
どうして、閉めてしまったのか
いつの間にか、日が昇っていた窓の外
気付かないまま。変わらないまま。
隙間から溢れてくる光
部屋が少しだけ、明るくなっていく
窓のそばに居ることにした
窓ばたに座って
暖かい光を浴びる
いったい、いつからカーテンが開いたのか
どうきて、開けていたのか
「まあ、今日も朝焼けが綺麗だから」
いいか。
題sunrise
いつか、あの大空に飛び込んで
いつか、あのわた雲に包まれて
大きな声で、さけんでやるんだ
今は、ベッドから ながめるだけでも
これから、外へ出られなくても。
にじの上を走りまわって
うみの向こうの国まで聞こえるように
さけぶんだ
「もう、げんきだよ。」ってね。
題 空に溶ける