いつか、あの大空に飛び込んで
いつか、あのわた雲に包まれて
大きな声で、さけんでやるんだ
今は、ベッドから ながめるだけでも
これから、外へ出られなくても。
にじの上を走りまわって
うみの向こうの国まで聞こえるように
さけぶんだ
「もう、げんきだよ。」ってね。
題 空に溶ける
彼は理解ができなかった。
平和と公平を奪う奴らの行動が
悪を許せなかった
彼は赤い正義の旗印を
胸にだいて
彼は光る正義の刀剣を
天高く掲げた
彼女は理解ができなかった。
自由と平等を取り上げる奴らの行動が
悪を許せなかった
彼女は青い正義の旗印に
心を預けて
彼女は光る正義の黒斧を
天高く掲げた
彼はどうしても理解ができなかった
彼女はどうしても理解ができなかった
君へ走ってた
まだ遥か遠くにいる君へ
息も上がって
脚も痛んで
大地に膝をついた
ゴツゴツとした岩だらけの地面
悲しい雨が濡らしていく
「少し、休もう」
今直ぐにはそっちに行けない
でも、いつか辿り着くから
手頃な岩を枕にして、雨が汗を流す
いつか、辿り着くから
「まっていてね」
ふらり、ふらりと降り立った
ゆらり、ゆらりと歩き疲れた
ぐらり、ぐらりと目が回った
がくり、がくりと膝をついた
「ねぇねぇ、大丈夫?」
ぼそり、ぼそりと少女は言う
「これ、あんパン。食べていいよ。」
ばくり、ばくりと食らいついた
ふわり、ふわりと甘かった
ごくり、ごくりと飲み込んだ
ぽろり、ぽろりと涙が落ちた
少しずつ、ただ少しずつ。
やっとの事で逃げ出した暗い世界。
ここは、新しい世界。
新しいやさしい世界。
朝起きれば「おはよう」と言ってくれる
家に帰れば「おかえり」と言ってくれる
新年には「おめでとう」と言ってくれる
だから私は「いってきます」と言える
「ただいま」と言える
「今年もよろしく」と言える
でも、私は進んでいくから
夢をつかみに進んでいくから
だから、だから、これが最後の
「いってきます。」