ふっ、とうとうこの時が来た。
俺の努力の成果を見ようじゃないか。
こい!テスト返しよ。
さてさて、今回は80超えていると思うんだ。
3週間前から頑張ったんだからな。
なんたって今回は彰人と勝負してるんだ。
おっ、次俺だ。
何点だー?86点!よっしゃ、勝ったわ。
彰人の点数は、、と。はちじゅう、87だと!
なんでだーーー!
なんで彰人お前、87取ってんだよ。
やめろ、やめてくれ、その顔。
あー、ツラがいいのが腹立つわ。
才能に恵まれた人を羨むことが多かった。
もし、私に才能があれば、
どれほど幸せだっただろうか。
自分を好きになれただろうか。
でも、才能があっても幸せでない人もいる。
なぜ、あなたは幸せそうでないのか。なぜ、、。
誰にも言えない秘密はないけれど、
才能を求めてしまう私を、
あなたにだけは知られたくない。
恋をした。
甘くて辛い、
恋をした。
この気持ちを誰に知られることもなく、
心の中にしまっておけば良かったのだ。
そうすれば、
誰にあざわられることもなく彼を思い続けれただろう。
でも、たとえ今、
人間不信で困っていても幻聴に苦しんでいても、
私は彼に恋した日々を後悔することはないだろう。
赤い光が靴箱を照らす。
まるで、私の心を表したようだ、、。
401、402、40、3、、あった!404、。
靴箱を開け例のものをいれる。
そっと、丁寧に、。
ふと思い出すのは彼の笑顔。
年中半袖で登校するという偉業を、
高校生になっても続けている彼。
この手紙を見た時、彼はどんな反応をするのだろうか。
少しは、喜んでほしいな、、。
そっと靴箱をしめ、
赤い光の方へと向かう。
毎晩空を見上げては、
姿の違う月を見る。
欠けては満ち、欠けては満ち、
月は優しく微笑みかける。
だからだろうか、
私の心はとても穏やかで、愛に満ちている。
月が私を包み込んでくれてるから、
そう、思っている。
あぁ、どうか、私がそちらへ向かうその時まで、
私と共に静かな夜を過ごしてほしい。