特別な人 4年3組 那谷 雄也
僕の特別な人は空手の先生です。
先生は僕に空手のことだけでなく、
礼儀や日々の心構えなどいろんなことを
教えてくれます。
僕が試合で負けて泣いてしまった時、
先生は僕に言いました。
泣くな。
泣いていては己の歩む道が霞んでしまう。
僕は先生の言葉のおかげで、
その日から、前を向いて歩くことができています。
たとえ辛いことがあっても、困難に直面しても
僕は己の力でそれを乗り越えてゆきます。
嫌だなー、死ぬの。
死んだらひとりぼっちじゃないか。
僕がそう言うと、天矢は答える。
友也、それは違うよ。
死んだら死神がそばに来てくれるから一人じゃない。
ふたりぼっちだ。
なんだそれ、僕は天矢の言葉に呆れる。
死神がいたとしても、死後の寂しさはとてつもないものだろう。
僕は寂しがり屋だし。
死神は怖いけどいい奴なんだ。
友也もきっと好きになる。
意味がわからない。どうして断言できるんだよ。
僕はそう言おうとしたがやめた。
答えを聞くのが怖くなったからだ。
不思議な夢を見る。それは決まって豪雨の日に見る。
夢で私は、巫女の姿をしており弓の使い手であった。
弓の練習をしている際、決まってやって来る男がいる。
そやつの名を私は知らない。
たわいのない話をするだけの不思議な関係。
ある時、そやつは怪我をしていた。訳を聞かなかった。
聞いてしまったら、もう二度と会えない気がしたから。
その日を境に、夢を見る頻度が少なくなってきた。
豪雨の日でさえ、見ることがなくなった。
なくなってから気づくとはこういうことか。
いつのまに、そなたは私の心を奪っていたのだな。
今日、久しぶりに夢を見た。
いつもは決まってそなたから話をする。
だが、今日は私の話を先にしてもよいか。
夢が覚める前に、伝えたいことがあるのだ。
初めての任務。
任務といっても、国家の存亡をかけた暗号の解き合いなのだが、、立派な任務だな。
初めてなのだからもっと簡単なものにしてほしい。
そんなことを口にすればすぐに私の首は飛ぶだろう。
なんだろう、思っていたのと違う、、、
初めての任務というものはもっとこう、
胸が高鳴るような、こう、ワクワク感というか、、、
そういうのが全くないのだ。
むしろ重圧感が凄まじい。
ストレスで胃に穴が開きそうだ。
あぁ、そうこうしているうちについてしまった。
上司の圧が強い、強すぎる。
1分前にちゃんとついたのに、
はぁ、任務を遂行せねば。
泣かないよ。
この辛い恋はもう終わりを告げたのだから。
泣かないよ。
貴方はもう他の人と幸せを分かち合っているのだから。
泣かないよ。
もう、泣かないよ。
貴方の良心を傷つけることも、
貴方の寛容さに漬け込むことも、もうしないのだから。
泣かないよ。