あめとむち

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不思議な夢を見る。それは決まって豪雨の日に見る。

夢で私は、巫女の姿をしており弓の使い手であった。
弓の練習をしている際、決まってやって来る男がいる。

そやつの名を私は知らない。
たわいのない話をするだけの不思議な関係。

ある時、そやつは怪我をしていた。訳を聞かなかった。
聞いてしまったら、もう二度と会えない気がしたから。

その日を境に、夢を見る頻度が少なくなってきた。
豪雨の日でさえ、見ることがなくなった。

なくなってから気づくとはこういうことか。
いつのまに、そなたは私の心を奪っていたのだな。

今日、久しぶりに夢を見た。
いつもは決まってそなたから話をする。
だが、今日は私の話を先にしてもよいか。
夢が覚める前に、伝えたいことがあるのだ。


3/20/2024, 11:05:22 AM