不思議な夢を見る。それは決まって豪雨の日に見る。
夢で私は、巫女の姿をしており弓の使い手であった。
弓の練習をしている際、決まってやって来る男がいる。
そやつの名を私は知らない。
たわいのない話をするだけの不思議な関係。
ある時、そやつは怪我をしていた。訳を聞かなかった。
聞いてしまったら、もう二度と会えない気がしたから。
その日を境に、夢を見る頻度が少なくなってきた。
豪雨の日でさえ、見ることがなくなった。
なくなってから気づくとはこういうことか。
いつのまに、そなたは私の心を奪っていたのだな。
今日、久しぶりに夢を見た。
いつもは決まってそなたから話をする。
だが、今日は私の話を先にしてもよいか。
夢が覚める前に、伝えたいことがあるのだ。
初めての任務。
任務といっても、国家の存亡をかけた暗号の解き合いなのだが、、立派な任務だな。
初めてなのだからもっと簡単なものにしてほしい。
そんなことを口にすればすぐに私の首は飛ぶだろう。
なんだろう、思っていたのと違う、、、
初めての任務というものはもっとこう、
胸が高鳴るような、こう、ワクワク感というか、、、
そういうのが全くないのだ。
むしろ重圧感が凄まじい。
ストレスで胃に穴が開きそうだ。
あぁ、そうこうしているうちについてしまった。
上司の圧が強い、強すぎる。
1分前にちゃんとついたのに、
はぁ、任務を遂行せねば。
泣かないよ。
この辛い恋はもう終わりを告げたのだから。
泣かないよ。
貴方はもう他の人と幸せを分かち合っているのだから。
泣かないよ。
もう、泣かないよ。
貴方の良心を傷つけることも、
貴方の寛容さに漬け込むことも、もうしないのだから。
泣かないよ。
突然の尿意により、俺は目覚めた。まだ夜中の1時。
トイレは部屋を出て廊下をまっすぐ行き、つき当たりを右に曲がったところにある。
場所は知っている。
ただ、一つ問題がある。
俺は夜、1人でトイレに行けない。
これだけは言っておく、俺は怖がりではない。
ただ、夜中にトイレに行く行為にとてつもない恐怖を感じるだけだ。
部屋には友達が5人。実は修学旅行中なんだ。
親友の六太に頼むか?いや、それは否だ。
高二にもなって1人でトイレに行けねーのかよ!
そう貶されるに決まってる。
だが、時間はない。俺の下半身が悲鳴をあげている。
やむを得ない、、恥をしのんで六太に、、、
まて、まて、まて、、、太ももにつたっているのは何だ
僕たちの関係を言葉で表すなら、
恋人という言葉が相応しいだろう。
だが、僕たちは互いを愛し合ってはいない。
互いの利益が一致したから付き合ったにすぎない。
僕たちは愛し合ってはいないはずなんだ。
少なくとも貴方は僕を愛してないはずだ。
だから分からないんだ。
なぜ貴方はそのような瞳で僕を見つめるのか。
安らかな瞳で。
この世に未練はないという、穏やかな瞳で。
僕は分かりたくない。
貴方の瞳が意味することも、僕のこの心の痛みも。