エイプリルフール
4/1
朝ごはんを食べて、着替えて、友達と学校にいく。
私はつい先月までこの生活を繰り返していました。
私はステージ4の膵臓癌で余命2ヶ月です。
つい先月までできていたことができなくなりました。
朝ごはんを食べるのも一苦労でした。
そんな日々を過ごして今日は4月1日です。
エイプリルフールの日。嘘をついてもいい日。
私はこの日を使って友達に膵臓癌のことを言います。
作り話として、私の事ではないことにして。
私は今日だけ友達に嘘ではない嘘を伝えます。
木の板でできた床をゆっくり、
しっかりとしたリズムで歩く。
歩く度に薬品の匂いと横からの風が襲う。
少し歩いた先に花束を持った女性がいた。
泣きそうで、でも強い覚悟をもった顔をしていて
私はあの女性はすごく心が強い人だと勝手に認識した。
彼女の着物はすごく華やかな色をしていて、ピンクの薔薇があちらこちらに綺麗に咲いている模様の着物。
それに比べ私はボロボロの汚れたセーラー服に彼女のように綺麗で何本もある花も持ってはいなく、私が持っているのはひまわり1本のみ。私とは似つかない彼女の横を通るのは少し苦痛だったが私は彼女の横を通り、ひとつの部屋の前でひと息ついた。
ドアを開けるとそこには何人もの兵士さんたちがいて、みんな頭、手、足には包帯が巻かれていた。
その中にも焼けてしまって包帯も巻けず、そのままの状態の方も沢山いた。
私はその中から1人の男性を見つけ、リズムを徐々に崩して、彼に駆け寄る。
彼は驚いたような顔をした後、戦争に行く直前に私に向けてくれた優しい笑みを向けてくれた。
私はあの女性みたいに強い覚悟も泣かないことだってできない。だから私は彼の前でボロボロと泣いてしまって、でも彼は嬉しそうに私を抱きしめてくれた。
彼も帰って来れて泣きたいはずなのに私を抱きしめて、嫌な顔ひとつせず私が泣き止むのを待ってくれた。
私があげたひまわりも嬉しいよなんて言って大事そうに
自分の膝に優しく置いた。
彼と存分に話した後私は帰り際に泣いてしまった。
その時私の視界に綺麗な白いハンカチが写った。
さっきの女性が私にハンカチを差し出してくれていた。
どうぞと言った彼女の笑顔は優しい彼に少し似ていた。
ある夏の暑い日、友人5人と私で団地の一室の
事故物件に肝試しに行きました。
私たちは肝試しと行っても怖がりの人の集まりなものなので、昼間に歩いて行きました。
団地に着くと、昼間にも関わらず薄暗く、冷たいひんやりした風が吹いていました。
空は夕方のように紫とオレンジが混ざった色でした。
エレベーターに乗って幽霊が出ると言われている一室に行きました。友人5人の中のひとりが不動産で働いていたので、団地の一室の鍵を貸してくれるとのことでした。
団地の一室の部屋、502号室に着くと人気のなく、雨が降った訳でもないのに水溜まりがあちこちに見られました。 まぁ気にしていても仕方がないので淡々と前に進んで行き、鍵を開けると部屋にはまだ前の入居者の私物があちらこちらに置いてあり、子供がいたとも言える人形や可愛らしい布団が置いてありました。
私含め友人5人も少し怖くなって来たのか、数人が早く帰ろうと促していました。そして友人のひとりがお前、ひとりでここにいてみればと悪ふざけを私に言ってきました。私は断ったにも関わらず、みんな謎に賛成するので私はひとりでいることになりました。
ひとりでいること15分ぐらいでしょうか、部屋の中から子供の声や走り回る足音が徐々に聞こえてくるようになりました。私は怖くなりベランダに出て友人たちがいるところを見ていました。すると空いてある窓の反対側の窓からドンとなにか重いとので叩くような音が502号室に響き渡りました。私は恐る恐る振り返り、意をけして窓を見ました。するとそこには大きく口を開け、目は眼球が取れそうなぐらい開き、目は充血で赤くなってある老婆のような人が私のことをジッと見ていました。私は急いで502号室を後にしました。帰ってきた私をみんなはどうしたと焦りながら聞くものですから私はさっき起きた出来事を全て話しました。その話を聞いたみんなも怖くなったのか、みんなで逃げ帰るように帰りました。
ですが私は帰る途中にあの団地のあの一室を少し見てしまったのです。そこにはさっきとおなじように目と口を大きく開いた老婆がこちらを見ていたのを今でも覚えています。
顔の良さもない、才能もない。
それでも今日も私は何かを頑張り続ける。
目を閉じればこの理不尽な世界が
真っ黒に染まってしまうから好きだ。
でも染めるにはもったいないくらい
いいこともあることは私はよく知っている。