灰田

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7/20/2024, 10:20:53 AM

「私の名前」

母の名は、母を取り上げたお産婆さんの名であるらしい。
母はもう亡いが、私がもちろん母の名を覚えている。
法事などお寺に提出する書類にその名を書くと、懐かしくなる。
2人分の名でもあったなと、時に思う。

父の名はとある有名な軍人さんと同姓同名で、
私はその人のエピソードすらあまり知らないけれど、勝手に親近感を抱いている。遠い遠い透明な糸のような縁、だなと思う。
そんな縁が美しく、この世を駆け巡っているのは、
なかなか、悪くないと思う。

私の名は、もし母がつけていたら「エセル」になっていたらしい。
でも、父がつけたので平凡なよくある名前だ。
母の趣味は可愛いし、父の趣味は…もしかしたら好きだった誰かの名前?…と思ったりして興味深い。

この私の本当の名前の由来は、よく考えたら全然わからない。

もしも生まれる前の私がこの名前を決めたなら、
好きも嫌いもなく、果てしなくフラットなこの感じは、絶妙だなと褒めてあげてもいい。

7/19/2024, 10:25:48 AM

「視線の先には」

視線の先には、思い描いた夢がある。
光輝くような立派なものじゃないけど。

夢と言っても平凡な日々の充実、なのかな。
今はそれ以上のこと無いねーって思うけど、
小さい頃の私が聞いたら、つまんないよ~って
がっかりするかも。

雄大な夢への憧れは、でも、この小さな夢を叶えて行く積み重ねのなかに息づいている。と思う。
イメージは大切だけど楽しいと思えなければ、私がつまらない。
今は小さく時を刻むような夢を、叶えていきたい。

でも大きな夢は叶わないから望まないっていうんじゃなくて、
……小さい夢は、息をひそめて捕まえないと、
消えてしまいそうになるから。

密かなことを思い描くような大人になった私が
それを叶えるには、

清流を泳ぐ銀の小魚、スッと捕まえる息使いが必要になる。

日々に小さな、夢を叶えて………



7/18/2024, 10:11:27 AM

「私だけ」

なぜ私だけが

そう思った。けれどそれは、

私だけの痛みではなかった。

でも、

なんの慰めにもならない。

今、痛いのは私。

どこかにいる誰かじゃない。

ここにいるのは私。

私を、誰とも、混ぜないで。







7/17/2024, 11:13:38 AM

「遠い日の記憶」

遠い日の記憶の、記憶喪失。
このままのどかに忘れ果てて…思い出さなくてもいい。
ギュッとロープを握るように、掴んでいなくてもいい。
…手放してしまってかまわないんだ。
それが君を苦しめるなら、捨ててしまっていい。
けれど、それを決めるのは君だから……

この選択肢を覚えておいて。

おかしいね。忘れろって言ったり覚えててって言ったり。だけど、

人は人の選択には触れられなくって、
それって大げさなんだけど…「聖なるもの」だと思うから、

さりげなく決められたらいいな。
泣きながら決めてもいいな。

聖なる君の記憶喪失。
あるいは、聖なる君の記憶顕現。

どっちも綺麗だ。

君は、どう思うのかな…

7/16/2024, 10:35:55 AM

「空を見上げて心に浮かんだこと」

空がなかったら地上は、エレベーターの中みたいに息苦しいのかな。

空はいつでもそこにあるけれど、もしかしたら…
皆があってほしいと思うから宇宙の神さまが、
宇宙を地球の空へ変換させているのかも。

地上の生き物が空を見上げて、その広さと千変万化を仰いで息をつく時、

今日の雲は、くじらみたい。
不思議に赤い夕焼けだね…
空に落ちてゆくみたいだ、とか
束の間、詩人になったりする。

君の詩人を引っ張り出したら、その詩人は言うかもね…

「そうは言うけどこの空は、もっと差し迫った、そんなに長閑じゃない切羽詰まったものなんだよ!
この遙かさが頭上に広がってるのと、そうでないのじゃ全然違う。そうだろう!?」


…なんだか君の詩人は怒りっぽい氣がするんだよね。


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