あなたがいたから
いろんな世界を見られた
あなたがいたから
いろんな経験ができた
あなたがいたから
いろんな場所に行けた
でももうあなたはいらない
私はどこまでも一人だとわかったから
~あなたがいたから~
相合傘といえばベターな青春の1ページが想起される。
好き同士の男女が傘を共有しながら帰路を進む。
フィクションでは定番なイメージがあったが、
実際に男女の相合傘というものは見たことがない。
そもそも、偶発的に起こりうる可能性はかなり低いだろう。
・一方のみが傘を持っていない
・帰りの時間帯に雨が降っている
・帰るタイミングで男女が居合わせる
・双方が相合傘をするほど惹かれ合っている
・帰りの方向が概ね一致している
片方が天気に無頓着なら多少は望みがあるだろうが、
偶然を装わない限りほぼありえないと言っても過言ではない。
と、こんな難癖をつけていたら虚しくなってきた。
全ての校則に、
「折り畳み傘を常備すること」が加わればいいのに。
~相合傘~
真空中では全ての物体が同じ重力加速度で落下していく。
羽毛も鉄球も同じように落ちる。
しかし実際には空気抵抗があるため同じにはほぼならない。
ここに、同時に同じ高さから身を翻した二つの人間。
一つは様々な偏見や観念に耐え忍んで速やかに地に着いた。
一つは様々な衝動や誘惑にかまけて空を舞い続けた。
その二つはお互いの在り方を認め合ってはいたが、
心の底では常に見下し合っていた。
~落下~
未来について。
もし想像力があればSFを書けるかもしれない。
もし先見性があれば起業して上手くいくかもしれない。
もし実行力があればどこにでも行けるかもしれない。
夢は未来の成る種。
だけど夢だけあっても、種は芽吹かない。
~未来~
1年は長い。すごく長い。
なのに世間的には軽く扱われがちだ。
まだ1年、たったの1年。
毎日毎日くたくたになり、
自分に使える時間もあまりなく、
なんとか凌いでようやっとひと月。
それを12度繰り返す。
もし1年前に戻れるとしたら?
人生は早送りできない、
冗長的で単調な大長編を無編集で垂れ流すビデオだ。
こんな内容をもう一度は御免だ。
第一、ほんの1年じゃ人生は変えられない。
~1年前~