Kanata

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5/17/2024, 10:23:52 AM

紅茶の注がれたティーカップ
宝石の様な煌めくタルト
お気に入りのレコードに針を落として
ランプは付けず、月明かりだけを堪能して

それは真夜中の小さな御茶会
週に1度、日曜日の夜
お客様はたった1人

いつか、貴方を招きたい
寝れない夜は何時も決まって
ダージリンを煎れてくれた貴方を
「夜は決して怖いだけのものではない」
と優しく教えてくれた貴方を


招きたかった
もう会うことはない、
真夜中の御茶会が好きだった貴方を


御茶会の最後は手紙を書くのが決まり
貴方が星になったあの日から
届けられない言葉は手紙に積もる


同じ言葉を繰り返す
まるで決まり文句の様に

「また貴方と真夜中を共にしたい」


いくら流れ星に願ったって叶わない


2024/05/17【真夜中】

5/17/2024, 3:28:45 AM

『きっとね。』
記憶に残るは微笑んだ彼女


「愛があったって何も出来ないじゃないか」
「こんなに君を愛してるのに、」

もう何も出来ない
遺るは色褪せた写真1枚
暖かった表情も手も、今は何もかも冷たい

愛しているのに
愛していたのに


「あんな質問、するんじゃなかった」



Q.愛があればなんでも出来る?
A.愛が届く内は


2024/05/17【愛があればなんでも出来る?】