Lotus**

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10/22/2024, 2:49:36 PM

【衣替え】


白いシャツが黒い詰襟に変わる日を忘れられない
禁欲的なその佇まいはうっとりするほど美しくて
自分は永遠に着られないその上着の下の体温に憧れた

あなたほど、詰襟の似合うひとはいなかった
あなたのようになりたかった

凛として寡黙で、時々子どものように無邪気に笑う

10/18/2024, 2:08:47 PM

【秋晴れ】


小鳥のさえずりが響く
声のしたほうに、その姿を探す
窓から見える公園の木々は、もう初秋だというのにまだまだ元気いっぱいだ
四方にのびた枝をおおっている艶のある深緑の葉が、
かわいた風にざわざわと揺れる
葉っぱの色のうすいところがきらきら光って、初夏みたいだなと思う
その大きなクスノキの枝のなかで、小鳥が鳴いているみたいだ

ここから見る景色がすきだった
なんていい気分なんだろう
こんなに心が軽いのはひさしぶりだ

10/17/2024, 11:44:21 AM

【忘れたくても忘れられない】


覚えていたくても覚えていられない
システムの内容も、受診の日時も、聞きたいことも
あかんなぁ

忘れるためには、思い出さないことが大切なんだとか
思い出しそうになったら、そのキッカケをぷつっと切る

覚えるためには、その逆?
「そのロジックは組んでないから」とか言ってたな?
なかなかむずかしいな、
興味のないことを思い出そうとするのは

10/14/2024, 12:11:03 PM

【高く高く】


高く、高く、大きく、もっと大きく
枝を広げ 幹を伸ばし
葉っぱから根っこの先まで
太陽と風と大地を
からだいっぱい吸い込んで
真夏の樹のように いのち輝くとき
その歌で今をつくり
そのことばで今をひらき
我ら 爽やかに育つだろう


たかく、と聞くと思い出されるこの歌
大好きだった音楽の先生、
自然と人間を讃える優しく力強いうたをたくさん教えてくれた
今でも、あの時のピアノが私のまんなかを守ってくれてます

10/13/2024, 1:19:19 PM

【子どものように】


身体がおおきくなった今でも、不安になったりプレッシャーを感じると私の手を握ったり、明け方に布団にもぐりこんできたりする甘えたがりの我が子
温かな体温、静かな寝息、まだまだ子どものやわらかい頬にふれながら、きっとこんなふうに母親に甘えてきたんだろうな私も、と思う

ベランダで月を眺めながら煙草を燻らせていたあの頃を思う 寄る辺のない自由さと自分への嘲笑とつきまとう孤独感は、煙草と同じくらいニガくて煙草と同じくらい癖になって、まるで悪い情夫のように離れられなかったものだけど
今はもう要らないかな
ベランダで飲むのは、大きなマグカップのカフェオレ、暖かいストールとセーターで
この子が、あたたかな世界で生きてくれることを祈る
この子をとり巻く世界が、いつもこの子に優しくあるように、子どものように祈る

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