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7/21/2024, 10:50:29 PM

【今一番欲しい物】


片想いばかりの半生だった

私たち親友だよね、あるいは
あの子たちいつもいっしょだよね、と
思春期も、青年期も、この歳になっても
まだやってるのだなと気づくことがある
そういえば、私がそうでありたい子はいつも、
ほかのだれかとそうであった
友情だけじゃなく、恋も
私のウィットや、情の深さや、お茶目さも
悪くないと思うんだけどな

階段をすこしずつのぼれば、
そういう景色も変わって見えるのだと思っていた、
まだ先が見えない頃は
けれど私のうしろに階段はできあがらなくて
ふりかえると、開いて通ってきたいくつかの扉
扉のずっとはるかむこうに、いつかの自分が見える

あの頃の自分がなつかしい
スネた顔していじけてる、白い腕、懸命な汗
なんてかわいいんだろう
今度は自分に片想い
この片想いは、なかなかいいかもしれないな

7/20/2024, 1:57:47 PM

【私の名前】


姓は公のものだけど、名は私的なもの
人の名に使われている漢字を見た時、
そのひとの背景を知ったような気がしてしまう
ご家族が選んだのであろうその名前、その漢字

優雅な響き 柔和な印象 軽やか 真面目
意志が強そうだ 歯切れがいいな 

私の名前はどんな印象をあたえるんだろう
SNSに流れてくる嫌なまんがに、同じ名前を見た
嫌なやつが同じ名前だったら悲しくなるよね

7/18/2024, 11:23:33 AM

【私だけ】


おぼえてる
泣いている
笑っている
飛び跳ねる
見えない
は、わかる
の時間
のとくべつ
のひみつ

7/18/2024, 12:25:38 AM

【遠い日の記憶】


街なかで君の香りがしたよ
思わず振り返ったけど、べつのひとだった

とあなたが笑ったのを思い出しながら香水を振る

7/17/2024, 5:13:14 AM

【空を見上げて心に浮かんだこと】


夜空を横切っていく白い巨人
月の光でぼんやり浮き上がって、
まるでその羽衣で町をつつむみたいに
微笑みをはりつけたまま上空を通っていく


朝焼けの空はどこまでもつづく
追ってくる太陽からにげるようにして飛行機は飛ぶ
紺色から緋色に美しいグラデーションをつくって
ほら、もう朝が来るんだね


夕焼けのずっと向こうには彼の国があるって、
昔だれかが教えてくれた
あなたが夕暮れ時を怖がった理由を
私はいまも考え続けている


どうして空が青く見えるのか、
大気のベールを通した宇宙の色だとか
太陽の光に隠された闇の色だとか
それでもずっと解けないでいる、青の秘密


この空はあなたの上にもひろがっている
はるか彼方であなたが生きている
どこかに君を隠している、ぼくの花を隠している、
だからこの空にあこがれる
いつか、あなたに会えるといい

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