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6/21/2024, 1:40:18 PM

【すきな色】


すきな色
晴れた日の夕暮れの白くなっていく空

朝日ののぼってくる山の稜線

空の青を吸い込んだような葉っぱの緑

実はすこし茶色いあなたの瞳

君の腕の焼けたとこと焼けてないとこの境目

誰かのしあわせに思いを馳せる深夜の空の紫

部屋の隅をぼんやり灯すあたたかな橙

ガラスの花びんが西陽をうけてテーブルに落とす青

うさぎの毛一本もついていない黒いスラックス

音をぜんぶ吸い込みながらただただ降る雪

肉球のあずき色、肉球のピンク色、

まぁるいおめめの深い深い赤

男性が身につける桜色、女性の選ぶネイビー

西海岸みたいなブルージーンズ


世界はすきな色であふれてる

6/19/2024, 2:27:02 PM

【相合傘】


何か新しい扉が開きそうで
勇気がなくて、てれくさくて、
そういう自分がいやで
居心地わるくて
必要に迫られても避けてたな

言葉そのものが感情を持ってることってあって、
あいあいがさもそのひとつ

たぶん、名前がよろしくない
思春期の連想力は、問答無用で
そのなかにLOVEをふたつも見つけるんだもの

相席とか相乗りみたいに
「相傘」と言えばあの傘に入れたのに
など思う

6/18/2024, 11:41:32 AM

【落下】


落下

って文字を見るだけで、からだのまんなかが震える
ような気がする
前世で何かあったのかな

6/17/2024, 12:30:20 PM

【未来】

みらい

関西にあるとある新交通システムには操縦者がいない
旅客輸送を主な目的として、
決まった軌道内を自動運転により走行する


ウン十年前、私は
島へ向かうその列車内から
高架の下を走る何台かの車やトラックを見ていた
車窓からは、目とおなじ高さに住宅が見える
高く葉を茂らせる広場の整然とならんだ樹々、
建築物のあいだを鳥のようにぬって一定の速度で移動する
遠くにはおだやかな海へとつづく空
低い機械音をたてながら濃紺の河を渡り、
まるで人の気配がない街の上空を、列車は無機質に進む
車内には俯いている大人たち、
多国籍な瞳、制服、スーツ、
みんなわかったような顔でどこへ行くのか

ああそうだ、
ここはロボットの街だ

そして、姉はこの未来の街で働いている
 

あのロボットの街は、どこへいったのだろう
緑が美しく、穏やかに風が凪いでいる
やさしく静かに整備されたこの街は、
ほんとうにあのロボットの街だろうか
無邪気で想像力に富んだ当時の自分に会いたい

未知のものに、私はあとどれくらい出会えるだろう

知らないほど強く、知るほど長く
未来は四方へのびている

6/16/2024, 11:26:20 AM

【一年前】

一生、高速で渋滞に巻き込まれ続ければいい
一生、一般道で赤信号に捕まり続ければいい
一生、飲食店にて、直前の客で満席となって2時間待つはめになればいい

わすれることは許すこと
そう思っていた私の価値観に
埋めたまま綺麗に忘れ去る、という項目が追加されるまで五ヶ月

しょうもない呪いをかけたことすら
いつまでも覚えていると思うことなかれ

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