「うちの子かわいい!このまま大きくならないでほしいなぁ〜」
……なんて、幼子に対して、冗談でも言ってはいけません。
何故ならその子はあなたの期待に応えようと、成長を止めてしまうからです。
体はいやでも大人になりますが、その子の心は。
心はきっと、二度と大人になることは無い。
子供は純真。純粋。素直。無垢。あなたの全てをそのままに受け取る。
"言霊"という言葉もあるのです、どうか、どうかその口に出す言葉は、よくよく考えたものにしてくださいますよう。
———————
子供のままで
「行ってきます」
きみはそう言って、わたしに手を振る。
わたしは手を振り返して、答えた。
「行ってらっしゃい」
いつもの風景。
けれど、なんだろう。なにか引っかかる。
きみを、行かせてはいけないと。なぜかそう考えている。
きみを引き留めようと、手を伸ば——せない。体が動かない。
どうして、声も出ない。きみを、なんだか、止めなくっちゃあいけないのに。
なんで、なんで、これじゃあきみを、
「っ!! 、……」
夢。古い記憶が元の、夢。
それを理解して、深く、深く、溜息をつく。
あの日から——きみが帰って来なかった、あの日から。
「……一体、何十年経ってると思ってるんだか」
——――――――――――――
忘れられない、いつまでも。
「お前さ、将来の夢なに?」
「んー……天文学者、かなぁ」
「へェ〜っ、いいねぇ!夢がある」
「まぁぼく数字苦手なんだけど」
「言うだけタダだぜ」
「まぁね。ちなみにきみの夢は?」
「おれ?う〜ん……スーパーヒーローとか?」
「すごい夢だね」
「おう。スーパーパワーとかで世界を守るんだよ」
「いいじゃん」
「だろ。まぁおれドジだから、ヘタに力持った方が怖いんだけどよ」
「気を付けなきゃね」
「だな」
今更なにを願ったところで無駄だと分かっているからこそ、
ぼくらはこうしてくだらない夢を語り合うんだ。
ああ、今まさに落ちて来ているというあの大きな星が、憎い。
――――――――――――――――――――—
明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。
この文を読んでくれたそこのあなた
読んでくれて「ありがとう」
はーとをくれたあなた
わたしの文章を好きになってくれて「ありがとう」
いつもはーとをくれるあなた
いつも好きでいてくれて「ありがとう」
さいきんもろもろ事情でぜんぜん書けないけど、書けるときは書きますからね
一昨日は今日だった。昨日は今日だった。今日は今日だった。明日も今日だ。明後日も今日だ。
なんて幸せなのだろう。
もう二度と新しい日は訪れない。
もう二度と、あなたが居なくなることは無い。
なんて、幸せな世界なのだろう。
新しいものは恐怖だ。未知は恐怖だ。失われていくのは恐怖だ。さよならは恐怖だ。
大事な過去を手放すのなら、
未来なんて、無くていい。
わたしだけここに、置いていけ。
閉じられたこの、幸せな世界に。
———
楽園