夜明け前
焦りが生まれ気だるさを感じる
寝れていないという事実だけで
法律でも違反したかのような罪悪感を感じる
実際被害を受けるのは日中の自分なのだが
憎めど呪えど、どちらにせよ腹が減るので
起床するのはほぼ確定している
夜明け前の荒んだ自分は
朝ご飯自体が勿体無いかいしょうなしだ
いつの日か残り一粒を勿体ぶるほど
精神の安定した人になれれば良いのだが
喪失感
単なる選ばなかったものが失ったものに擬態化していく
手放したものがもう無縁なのに私の首を絞める
ほしいものが手に入ったのに昼さえ形もないからもがく
蓋を閉めてなくなさいようにしても自分で会えなくて苦しい思いをする
世界に一つだけ
世界に一つだけ
以前から手元にはなくって
なくしたっけ おいてきたっけ 捨てたっけ
諦めきれないんだっけ
もがいたんだっけ
かわりがあるんだっけ
行くあてもないんだっけ
それが手中になくってどんなに醜くても息はしてる
でもいざ手にしてそれを守り抜く算段までないといずれ疲れて自分で壊すだろう
中途半端で投げ出すのが辛くなるところまで進めたら
思い出せないだけで忘れないみたいな一つなんかじゃない欲が僕に生まれるだろう
踊るように
世界のルールの中に自分ルールを内包して守ることで一定数偉くなる
それが幸せだった
ルールの中で踊ることができるようになってからは
自由と限界と境目を覚えた
それでも私が踊れば影も踊った
花弁が最後の生を全うするかのように
踊るように煌めいて落ちていった
その絨毯の残る橋は絶対に崩れない気がする
時を告げる
時を告げる朝日が来る
夜を乗り越えられた
悪意は吸血鬼のように夜に溶けた
大半を乗り越えることに費やした気持ちでもある 報復性の夜ふかしだ
安寧は程遠くても
少しだけこの実績解除を祝おう
時を告げるチャイムが鳴る
最後の試験のあの瞬きもよく覚えている
苦戦していた汗の滲む瞬間から
思考があ、解放されたともなる瞬間
合格発表までなんとなく程遠いけど
帰り道は何しようと選択肢が生まれた瞬間