雨上がり

アスファルトの匂いは好きなのにかげろうがほどの蒸し暑さにうなだれる
上を向くと虹の可能性もあるなと思いつつ、太陽が眩しい

記憶の海
0と1で作られてるなら
匂いも声も感情も思い出せやしない
どっぷり浸かっていたいけれど
記憶できてるからそこからどうこううわぶれることもない

ラブソング
タバコなんて吸ってなかったし
トマトは別に嫌いじゃなかったし
ろくに外で手を繋がなかったとき
恋にはとっくに冷めているのに
曲の歌詞にもさめてしまうんだ

すれ違う瞳
ずっとずっとテレビやスマホの貴方をみていたから
向いてるのは私じゃなくカメラなんだからと思うと
すれ違う以前の話

好きになれない、嫌いになれない
好きじゃないと仲直りなんてしないけど
ずるずる引きずって何度も蒸し返すように
たった一つの言葉が全ての痛み止めになるように
そのうちなれの果てをいいように腐れ縁だとするだろう
私は誰かの好きになれないと思っていたし
誰かのきらいが聞こえたら生汗がでる
そんなに近づかれても多分100点は出せない
好きに慣れないし嫌いに慣れないんだから
お互いしか辞書にもないような関係でずっとのらりくらり続けばいい