・カーテン
私はどうして生きているの?
唐突に意味が欲しくなって、
でも答えは見つからなくて、
どんどん深く、良くない方向に沈んでいく。
午前三時、
原型をなくした夜と、不安定な朝。
眠れないから消えない、 頭痛。
白いカーテンをそっと開ける。
まだ明け方、空は少し薄暗い。
寂しさが混じった透明な朝の空気を吸い込む。
冷たい空気に少し鼻がツンとなる感覚。
__ああ、私、まだ生きてる。
・空が泣く
雨の日は気分が乗らなかったり湿気が多いから
嫌いな人も多いだろう。
もちろん湿気が多いのは嫌だけど、
雨の音が心地よいから好きな部分もある。
それだけじゃない。
しんどいと思うことが多くて
気を抜いたら死んでしまいそうな、そんな時。
学校の帰り。ふと空を見た。
自分が醜く見えるくらい空だけが綺麗に見えた。
空だけは味方なんじゃないかと思った。
空が泣いていても
みんな濡れるのを避けるために傘を差す。
濡れてもいいじゃないか。
自分には悲しみの雨が降る空を
すぐに晴れにさせてあげる魔法なんて無い。
だから、せめて空の味方でいる。
空が綺麗だから、
自分はまだもう少し生きようと思えた。
今日と同じ空は無いから。
時間が経てば、ちゃんと綺麗に晴れるから。
たくさん泣こう。
_そうすれば、虹が励ましに来てくれるから。
・落下
バラバラになった希望の欠片を拾い集めて。
両手いっぱいに抱えて少しずつ歩き出す。
その刹那。
黒く高い波が自分を襲い、深い闇へと突き落とす。
真っ暗な闇の中。
でもどこか、安心している。
自分という醜い存在を闇が覆い隠してくれる。
全身の力を抜き、横になった。
ゆっくり、暗闇の雲に沈んでいる。
闇に呑み込まれたって構わない。
・半袖
最近の暑さはもう夏だ。
夏は嫌いだ。
エアコンの効きは悪い。
晴れていたとしても、どこへ行くにも汗をかく。
でも夏の景色や風情はとても好きだ。
夜に咲く花、流れるような入道雲、
どこからが聞こえてくる風鈴の音。
自分は夏に運動をすると
貧血も相まっていつも頭痛などの熱中症に襲われる。
少し暑く、涼しいくらいでいいのに。
生きている者たちは太陽に殺されかけている。
秋の半袖から少し肌寒いと長袖にする瞬間が好きだ。
・過ぎ去った日々
未来のことを考えるのは得意ではない。
過去に囚われて未来のことを遠ざけているから。
人はなぜ時が経つにつれ変わっていってしまうのか。
"変わる"という言葉は
いい意味でも悪い意味でも捉えられるが、
私はただ、不変のものを探し続けている。
過ぎ去った日々の中で、
共に遊んでいた昔の友達も、好いていた人も、
今はどうだろうか。
誰も覚えていないのではないか。
人間関係は関わらなくなれば、
簡単に消えてしまうものだから。
温かいものがすぐに冷めてしまうように。