#あじさいの友
社会人になってからの彼女は、とても移り気に見えた。けれど、一生懸命だった。いつか恋人と、家族になる。
付き合っては別れてを繰り返す彼女、いい加減心配に思えて、どうしてこんな素敵な子なのに、いい相手に巡り会えないのだろうと思っていた。
ある日、彼女から葉書きが届いた。
「結婚します」
素敵な横顔のイラストとともに
ふたりが一緒に暮らすアパートで、私は初めて彼と会った。話に聞いていたこれまでの相手とは違い、彼女を大切に想ってくれている、それがやわらかく伝わってきた。
結婚式当日、あじさいの花が咲く会場に、ジューンブライドの彼女は、きらきらと笑っていた。
#好き嫌い
花占い、嫌いで終わるなら、茎を最後に好きで終わらす。
嫌い!!ってことは、好きだったということ...?
もしくは、好きに変わるかもしれない?
好き嫌いって、白黒つかないところがありそうだ。
幼い頃は、嫌いなものがとことん嫌いだった。
絵本の嫌いな登場人物に歯型を残すくらい、噛みついていた。しかもそれが、主人公以外全部?ってくらいの絵本もあったような(笑
好き嫌いを感じさせてくれる何か
こころみたいな
街は君を覚えている
君の歩き方
君の訪ねる場所
君が見る景色
街は君が好きで
君が来るのを待っている
君の足音、君の靴底
ステップを踏んで
人並みにダンス
喜び、うきうき
心弾む歌
街は君のふるさと
#やりたいこと
辛い夜明け
その苦しい胸の内を許して
今日を乗り切る
そう決める
背中の痛みも
強いからじゃない
ただなんとなく
今日一日を乗り越えたい
#朝日の温もり
どうしようもなく不幸に取り憑かれたものがいた。
そのものは相手の不幸を吸い取って、相手を幸せにする。
「誰かの不幸を吸い取るさん」
誰かの役に立って、吸い取るさんも、幸せになりたかった。けれど、吸い取るさんは、吸い取った分だけ、不幸な気持ちになっていく。
吸い取るさんが、どん底な気持ちでへたばっていたある時、吸い取るさんの瞳に、幸せそうに笑う人々が映った。
お喋りを楽しむご老人
オシャレな若者
元気に走る子ども達
吸い取るさんは、いいなぁ...と思った。
それから、吸い取るさんはいろいろな夢を見た。
怖い夢、変な夢、面白い夢、空を飛ぶ夢
―――
あぁ、温かい
いつものように、道を歩いてた吸い取るさん、その日は、自分に届く、太陽の光を感じた。