#朝日の温もり
どうしようもなく不幸に取り憑かれたものがいた。
そのものは相手の不幸を吸い取って、相手を幸せにする。
「誰かの不幸を吸い取るさん」
誰かの役に立って、吸い取るさんも、幸せになりたかった。けれど、吸い取るさんは、吸い取った分だけ、不幸な気持ちになっていく。
吸い取るさんが、どん底な気持ちでへたばっていたある時、吸い取るさんの瞳に、幸せそうに笑う人々が映った。
お喋りを楽しむご老人
オシャレな若者
元気に走る子ども達
吸い取るさんは、いいなぁ...と思った。
それから、吸い取るさんはいろいろな夢を見た。
怖い夢、変な夢、面白い夢、空を飛ぶ夢
―――
あぁ、温かい
いつものように、道を歩いてた吸い取るさん、その日は、自分に届く、太陽の光を感じた。
6/10/2024, 12:20:12 AM