雪を待っている。
枯葉も落ちきり寒々しい枝が凍える様に擦れあうといよいよ待ち遠しくなる。
耳が痛いなかハラハラと降り出した。砂糖をまぶした様だと眺めていたのもほんのわずかな時間。瞬く間に真っさらなキャンパスが出来上がった。
そんな日が何日か続いた頃に友達がやってくる。
雪から生まれた様な容貌。
雪が積もらないと現れない客人。
特に約束もしていない。だが必ずひょっこりと顔を出す名もなき友人を今年も出迎えることが出来た。
通勤路にイルミネーションが飾られてしばらく経った。
最初のうちは気分が良かったが最近は飽きてしまい横目で見るくらいだ。思えばお店のbgmに飽きるのも早い方だった。飽きるだけなら良いがあんまりにもしつこく聞かされ嫌いにさえなりもした。接客業よりそっちの方が苦痛だったりするのだ。
飽きない工夫、というのがあればぜひ聞きたい。
友達に相談すれば思い切って帰り道を変えたら良いと提案された。
それもありか。
新しい発見があればよし。無くても運動になる。
愛を注がれた結果、優れた人間になれるのならば私ほど不出来な人間はいないだろう。
どうしたって人を羨んでばかりいる。
その癖、どうしても努力しようという気になれない。
あれがほしいそれがほしい。そればかり。惨めで嫌になる。嫌になっても朝は来るし腹も減る。
生きている間に、満たされたいのだ。
憧れが、私を繋いでいる。
愛を注いで
時に寄り添い、時に反発し、時に共鳴する。
一つでないからこそ生まれる現象。
心が二つ。
たった二つでも大きなエネルギーを生むのだ。
三つ、四つ。それこそ観測できないほど集まった時。どうなってしまうのか。
どうか優しく労わりあうことを忘れないでほしい。
もし本当にそれが叶った時、我々は更なる進化を遂げるのだ。
心と心
なんでもない。
そう君が笑う。
横顔は寂しげで、項垂れた様な後ろ姿ばかり見ている。
本当になんでもない君をよく知っている。だって誰よりも見て来たから。
でも、憂いを払う方法だけを知らない。
何でもないフリは見抜けるくせに。全く嫌になる。
それなら本当に気がつかない方が幸せな気さえしてしまう。
何でもないフリ